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出でよ!福島のおいしさを雄弁に語る小売り

菅 慎太郎(株式会社味香り戦略研究所)  2015年03月25日

震災発生からまもなく4年が経過します。「もう」4年という印象と、被災地では「まだ」4年という認識の相違が、意識調査から浮き彫りになりつつあります。

JA全中が実施した東日本大震災に関する意識調査によると、震災を忘れがちになっていると思う人は7割以上におよび、記憶の風化が進んでいることが明らかとなりました。「食べて応援」といった形で震災復興を応援する声はあるものの、厳しい現実が垣間見えます。

また、「震災復興に役割を果たしてほしい組織(JA全中調べ)」では、政府や市町村に対する期待が大きく、多くの人が行政の主導権を望んでいることが調査結果から見えてきます。

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けれども、行政組織の基本的な役割とは、安全を担保するための調査や制度、規制を作り運用することです。真の復興は、「消費者の行動」が伴わなければ実現しません。震災被害を受けた地域がきちんと消費のサイクルに入ることこそが、復興を底上げすることになるのです。

そこで求められるのが、消費者の不安の原因となっている放射性セシウム等の検査についての徹底した取り組みです。

実際、農産物に含まれる放射性セシウム濃度の検査は、例えば米(2014年産)では1072万点(福島県)にも及び、全袋検査が行われています。放射性セシウムの基準値100ベクレル/キログラムを超えるものは検出されておらず、すべてが基準値内であることが確認されています。

農産物ではイノシシ肉、シロメバルなど基準値を超えるものが24点あります。しかし、それらは都市部の人が口にすることはほとんどない食品であり、実際には出荷規制で市場には出回っていません。これらの存在があるからといって不安を煽るのは、合理的な判断とは思えません。心理的な抵抗があるのは承知ですが、安全への取り組みが、消費者の「安心」につながってほしいと願うばかりです。

執筆者プロフィール

菅 慎太郎(株式会社味香り戦略研究所) 

株式会社味香り戦略研究所味覚参謀、口福ラボ代表。味のトレンドに特化したマーケティングの経験を生かし、大学での講義や地方での商品開発や地域特産物の発掘、ブランド化を手がける。
キッズデザインパーク講師。日本味育協会認定講師。

<記事提供:食の研究所
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