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農水省補助事業による商品規格書の標準フォーマットが制定

2015年05月20日

平成26(2014)年度農林水産省補助事業において、メーカー、卸売業、外食産業など食品関連業者ら18社が「標準商品規格書とそのガイドラインの検討会」で検討を進めていた、商品規格書(商品カルテ、仕様書)の統一フォーマット「標準商品規格書」が、2015年3月に制定された。

同フォーマットは、商品情報を提供する株式会社ファイネット、株式会社ジャパン・インフォレックス、株式会社インフォマートなどのシステムベンダーが、今後、対応を進める予定だ。食品業界の自主的な取り組みとして今後推進し、影響力が高まると予想される標準商品規格書について、今回の事務局を務めた株式会社ファイネットに聞いた。

各社によって違う商品規格書フォーマット

標準商品規格書について聞く前に、そもそも商品規格書とはどういったものだろうか。

「加工食品や酒類の商品情報を記載した書類のことです。原材料やアレルギー情報、商品画像などが含まれます。主にメーカーが作成し、卸売業者を通じて、外食産業者や小売業者へ提出するものです」

イメージは、加工食品の裏面に掲載されている一括表示に近い。小売業と外食産業では、消費者から商品情報を求められた際の対応が異なるため、商品規格書の取り扱いも異なる。

小売業は一括表示を元に管理している場合が多く、一括表示よりも詳しい情報が必要な場合に商品規格書の提出を求める。外食産業は大手企業の場合、ASPなどの商品規格書サービスを利用し、消費者への情報提供を管理している企業が多く、メーカーや卸売業は同サービスでの提出を求められる。中小企業の場合は、情報提供を行っている企業は少ないが、消費者から食の安全に対しての声が高まっており、今後対応していくことが求められている。

商品規格書のフォーマットは、食品業界として統一されたものはなく、各社がそれぞれのフォーマットで作成している。

業界統一フォーマットの必要性

事務局を務める株式会社ファイネットでは、以前より大手小売、卸、メーカーが参加する商品情報授受標準化会議(PITS)で、商品規格書の標準フォーマットの検討を進め、どのメーカーでも提供できる「最低限必要な項目」を協議していた。

PITSでの検討を元に、今回の「標準商品規格書とそのガイドラインの検討会」では、各業態の意見を募るため、メーカーからは味の素株式会社、キユーピー株式会社など5社、小売系卸売業からは国分株式会社、三菱食品株式会社、外食系卸売業からは株式会社久世、株式会社トーホービジネスサービス、外食産業からは株式会社すかいらーく、ロイヤル株式会社を委員として招いた。

「標準商品規格書とそのガイドラインの検討会」委員名簿

座長 愛知大学
委員 食品製造業 味の素株式会社
キユーピー株式会社
株式会社ニチレイフーズ
日本水産株式会社
ハウス食品株式会社
卸売業(小売系) 国分株式会社
三菱食品株式会社
卸売業(外食系) 株式会社久世
株式会社トーホービジネスサービス
外食産業 株式会社すかいらーく
ロイヤル株式会社
システムベンダー(外食系) 株式会社インフォマート
システムベンダー(小売系) 株式会社ジャパン・インフォレックス
外部団体 1団体
オブザーバー 農林水産省
イオントップバリュ株式会社
一般財団法人 流通システム開発センター
事務局 公益財団法人 流通経済研究所
株式会社ファイネット

 

事務局では、標準商品規格書の検討に入る前に、商品規格書を提出しているメーカーにアンケートを行い、その結果から実情が見えてきた。

策定された「標準商品規格書

「近年採用が増えている、商品規格書サービスを利用して提出された枚数が28%ありました。また、小売業・外食産業の指定した書式で提供している商品規格書の枚数が41%、メーカーの書式で提出している枚数が27%あり、合わせて68%が独自のフォーマットで提出されており、様々なフォーマットが存在することがわかりました」

このようなフォーマットの違いから、メーカーでは商品規格書作成の、小売業・外食産業では商品規格書の依頼、催促の労力やコストがかかっているという意見が寄せられた。業界内でも見直しを求める声が高まっているのがわかる。

アンケート調査の結果を元に検討作業を進め、業界統一となりえるフォーマットを策定した。

統一フォーマットによる影響

では、新しく策定された「標準商品規格書」を推進することで、実際どのような影響が考えられるのだろうか。業態ごとに見ていこう。

メーカー、卸売業は、商品規格書の提出を求められた企業のフォーマットへの変更や、不足情報を追加するなどして提出する必要があったが、フォーマットが統一されると作成が1度だけで済み、作成業務が大幅に軽減される。

小売業、外食産業は、商品規格書が回収しやすくなりスピードが上がるため、消費者から商品情報を求められた際に、開示できる情報の正確性、即時性が高まり、食の安全・安心を提供することができる。

各業態の業務だけでなく、消費者への情報提供により、食品業界全体の信頼性を高めることへもつながりそうだ。

今後の業界の動き

今回策定された標準商品規格書は、農林水産省の推奨になっているわけではないが、食品業界の自主的な取組として、今後広がっていく可能性が高い。実際の取組みはどのように進んでいくのだろうか。

「2015年5月19日に、標準商品規格書の管理、普及活動がPITSに移管されました。今後はPITS参加企業である大手小売企業、卸売業、メーカーが順次採用していく予定です。また、商品情報を提供しているシステムベンダーが今後、順次対応していきます。

その中には、メーカー様に多く賛同いただいている弊社の「FDB(商品情報DB)サービス」、卸売業での採用が多い株式会社ジャパン・インフォレックスの「Inforexデータプール」、外食産業に強い株式会社インフォマートの「BtoBプラットフォーム規格書」が含まれ、標準商品規格書に準拠したフォーマットへ対応予定です」

そのため、大手小売企業、外食企業がこのフォーマットで提出を求めてくることが多くなると予想される。メーカー各社は標準商品規格書への対応のために準備を進めておく必要がありそうだ。

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