気になる食品表示

食品表示基準でここまで変わる(後編)~表示レイアウトの改善、アレルギー表示ルールの改善、栄養成分表示の義務化など

森田 満樹(消費生活コンサルタント)  2015年09月18日

▼特定加工食品の廃止について

新基準では、「特定加工食品」に係る表示が見直され、廃止されることになりました。特定加工食品とは、マヨネーズの「卵」や、パンの「小麦」のように、アレルギー物質が含まれていることが明白なときに、アレルギー物質名を表記しなくてもよいとされてきた食品のことです。今後は廃止され、「マヨネーズ(卵を含む)」といったアレルギー表示が必要になります。

*特定加工品の廃止については「食品表示基準Q&A 別添アレルゲンを含む食品に関する表示p47」を参照ください。

⑤栄養成分表示の義務化

▼義務表示と任意表示について

新基準では、食品関連事業者の扱う「加工食品及び添加物」に、原則として5つの栄養成分の表示が義務化されました。また、将来的に義務化を目指す項目として、「任意」の項目が新たに定められています。

義務…「エネルギー」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「ナトリウム」
任意(推奨)…「飽和脂肪酸」「食物繊維」
任意(その他)…「糖類」「糖質」「コレステロール」「ビタミン・ミネラル類」

義務表示の「ナトリウム」は、「食塩相当量」で表示することになります。食品にナトリウム塩を添加していない場合は、ナトリウム〇mg(食塩相当量〇g)という表示も可能です。また、「飽和脂肪酸」「食物繊維」「糖質」など、表示する際には内訳表示が採用されました。トランス脂肪酸の表示の取扱いも検討されましたが、任意表示となっています。

*任意(その他)表示については「食品表示基準 別記様式三 p745~746」を参照ください

▼対象食品、事業者規模の例外について

原則としてあらかじめ包装された全ての加工食品に栄養表示が義務付けられましたが、表示が困難な場合は、例外規定が設けられています。                        

外食や中食、量り売りなどの対面販売の場合はそもそも食品表示の適用外です。また、スーパーのバックヤードなどで製造され販売される食品も、栄養表示の省略が可能です。

新基準では「容器包装の表示可能面積がおおむね30平方cm以下であるもの」「酒類」「栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの(スパイスなど)」「極めて短い期間で原材料が変更されるもの(日替わり弁当など)」「小規模事業者(常時雇用20人以下)が製造する食品」が省略可能となっています。

▼そのほか、栄養に関する表示について

新基準では、栄養表示成分の表示義務化のほかに、栄養強調表示や無添加表示、栄養機能食品などの表示ルールが変更になります。

例えば、「〇〇たっぷり」といった栄養強調表示の数値については、新基準では「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の考え方をとり入れ、数値が見直されています。中でもビタミンAの栄養素等表示基準は従来の基準値の約1.7倍に変更されていますので、強調表示をされてきた事業者の方は注意が必要です。

*栄養に関する表示については「食品表示基準第七条 p66~70」および「食品表示基準別表第十 p504~507」を参照ください

まずは新基準の情報収集と製品情報の管理を

ここまで新しい表示基準についてご紹介してきましたが、製造所固有番号のルールの詳細はまだ決まらない、施行直前に出たQ&Aにはわかりにくい部分も残るなど、さらなる情報が待たれるところです。

事業者の方は冷静に情報収集をおこない、まずは適切な表示作成に欠かせない“原材料情報の管理”を強化することが大切です。表示の間違いは自主回収になる可能性もあります。猶予期間内に間違えのない表示へ移行していただければと思います。

執筆者プロフィール

森田 満樹(消費生活コンサルタント) 

九州大学農学部卒業後、食品会社研究所、民間調査会社等を経て、現在は消費生活コンサルタントとして活躍。 食品表示に精通し、先に行われた食品表示一元化検討会では委員を務めた。

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