レポート

カリスマたちの座談会「外食産業の10年後(未来)はこうなる」~『FOODiT TOKYO 2016』レポート

2016年09月02日

まとめ~これからの飲食業界と店作り

ここまでで分かるように、10年後は人口減少やテクノロジーの進化によって、社会が大きく変化することは間違いない。飲食店も、良し悪しは別として大きな影響を受ける。それでは、実際に今後の店作りはどのようにすべきだろうか。この点についてもセッションで意見が交わされた。

子安「10年後のシナリオを考えたとき、やっぱり、飲食店に本当に未来はあるんだろうかと暗い気持ちになったのが正直なところです」

楠本「だったらそれを楽しんで、ポジティブに戦略的にアイデアを出し合っていければ、おもしろい社会になると思います。テクノロジーが発達したからどうしようというよりも、そもそもの食や街のあり方をどうしようということがメインに存在している。そのためにテクノロジーをどう使っていくかという発想で考えたらいいんです」

中村「これからは料理や空間も含め、すべてデータ化されて、自由に取捨選択できるようになります。音楽ではDJという職業がありますが、もしかするとフードDJという、世界中から空間や料理をセレクトして編集して体験させるような、新しい仕事が出てくるかもしれません」

楠本「飲食店の今後でいうと、ワンブランドでどれだけ店舗を広げられるかというより、オンリーワンのブランドを徹底的に磨き上げることが大事になってきます。これから日本は人口が減ってしまうけど、それはしょうがない。減った分だけインバウンドで海外から人を呼び込めばいいんです。フランスは人口6千万人に対してインバウンド人口7千万人です」

日本のインバウンドは2015年に1,900万人となり、前年比47%増だった。政府は2020年までに4千万人、2030年までに6千万人の獲得を目標に掲げている。

楠本「僕はこの目標は達成できると思いますよ。英語ができる・できないの問題ではなくて、日本全体が楽しくて、おいしくて、素敵であれば、行ってみたいと思われますから。外食も観光も農業も垣根をなくして、ひとつのウェルカムチームみたいな感じで盛り上げていくことができたらいいんじゃないかと思います。難しいテーマですが、皆さんと考えられて楽しかったです。外食産業の中でこういうことをガンガン語り合って、一緒にできることを見つけられたらいいと思います。ありがとうございました」

10年後という、決して遠くない未来を大胆かつ現実的に語り合った今回のセッション。会場の参加者たちは、時折深刻に、興味深くうなずく姿が見て取れた。飲食業界の内外で起こる変化に対して、どのような行動をとるべきか-、本記事の読者もぜひ思いを巡らせてみてほしい。

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