飲食業界なう

飲食店の新業態のトレンドは?~過去2年間の一覧付き

2018年05月11日

「業態開発が広がりはじめ、専門店化が進んだのは1992年前後です。社会的にはバブル経済が崩壊し、外食産業は主要企業の売上伸び率が1%を切る、外食ゼロ成長時代に、既存のファミレスや総合居酒屋といった、誰が行っても何でも食べられる業態から専門業態化が進みました。ファミレスでもイタリアン専門の『サイゼリヤ』、居酒屋だけど焼肉専門の『牛角』などが店舗数を急増させた時期です」

その後、景気の悪化にともない、撤退した飲食店跡地を居抜きで再利用するような、より低投資でよりコンパクトなフォーマットの店舗が増えてきた。 

「さらに消費者のニーズも多様化し、よりインパクトのある尖った業態が求められるようになり、業態の細分化が進んできたのが最近の流れです。先ほどのベーカリーカフェやサラダ専門店などはその典型例でしょう」

しかし、尖って新しいものを提案する必要があるとはいえ、あまりにニッチに偏りすぎると、収益性に疑問がでてくる。特に、中小規模の飲食店が新業態開発を考える際には、まずは収益性を考える必要があるという。 

「どんなに流行っていても、収益があがらなければ意味がありません。中小規模であれば、投資回収を考えると固定費はなるべく抑え、より少人数でまわせる簡単なオペレーションが求められるでしょう。小型店で高い回転率を目指したり、リピーターを呼ぶ仕組みを考えたりといった工夫も必要です。

大手企業の例になりますが、中華料理が主力のハイデイ日高は、立ち飲み業態を展開させています。『日高屋』を出店するには小さな立地に、比較的低投資で済む『焼鳥日高』を出している成功例です」

新業態開発は成功すると大きく店舗数を増やすことができ、利益を生み出すことができるが、うまくいかない場合のことも想定しておく必要がある。

「オーナーや経営陣の思い入れが強いと、うまくいかなくても“やめたくない”となりがちです。しかし、赤字店舗は誰も幸せになれません。撤退のラインは決めておくべきでしょう。新業態は経営者の責任としてやるもので、決して現場任せにして放置したまま、売上げの低迷を店長のせいにしてはいけません」

商品開発が新業態開発につながることも

新業態を開発する上で参考となる企業の事例を聞いた。

「成功例でも挙げたように、トレンドを取り入れたり、自社の既存業態を少し変えたりするのもひとつの方法ですし、かつてのダイヤモンドダイニングのように、100店舗100業態といった形で消費者から見たときにけっこういいお店だね、という脱チェーン的な開発もあるでしょう。

また、既存店の新メニューから新業態の開発につながることもあります。たとえば、松坂牛の卸・精肉でトップシェアの柿安ダイニングは、惣菜店で出した牛めし弁当とおはぎが大ヒットし、それぞれ牛めし弁当専門店と、和菓子専門店へ発展しました。 

店舗数を増やすのが目的であれば既存の業態で増やすこともできます。新業態を考える際には、なぜ業態開発に取り組むのか、目的をはっきりさせることが大事です。そのうえで、いつ何をして、いくらまで投資するのかなどの計画を立て、進めていきたいですね」

年間100近くの新業態がオープンし、そのうち半数は1店舗だけの出店か閉店になってしまうことが多い。しかしその中でも、5店舗、10店舗と店舗数を増やしている業態もある。新業態の一覧の中から店舗数を増やした業態や、自社と似た業態の企業がどんな新業態を出店したのかなどを参考にしながら、自社の強みを活かせる業態を開発してほしい。

取材協力:株式会社タナベ経営


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