経営者インタビュー

作っても売れなかった野菜が主役。逆転の発想が付加価値を生む~ALL FARM・古森啓介社長

2018年08月24日

こんなに美味しいのに、大量消費の流れにあわないという理由で、姿を消していく野菜があると知ったとき、これを守っていかなければという強い使命を感じました。と同時に固定種を多くの人に知ってもらい、本当に美味しい野菜を食べてもらいたいという思いも、当初からずっと持ち続けています。

【Q】なぜ生産者ではなく、飲食店の経営者になられたのでしょうか

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初めから畑と店舗、両方を持つのは私のこだわりでした。固定種を無農薬・無化学肥料で育てるのは一見効率が悪くても、それが必ず強みや付加価値になると考えていたからです。

今、生産者が抱えている一番の問題は、『作ったものが売れない』ということです。たとえばきゅうりは、収穫のタイミングがずれて育ちすぎたり、曲がってしまったり、少しでも販売する規格から外れてしまうと、途端に商品価値がなくなります。

また、一般的な『F1種』の場合、豊作だと大量に市場に商品が出回るため値が下がりすぎて、出荷すればするほど赤字になってしまうのです。そのため精魂こめて作った野菜であっても、売らずに大量廃棄することもあります。

しかし野菜は大きさや形がばらばらであっても、味には影響ありません。ですから畑でとれた野菜を調理して自分の店で出すことができれば、4個で100円程度にしかならないじゃがいもだって、付加価値をつけて提供できます。

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野菜の旨味を活かすため、最適な調理法を選ぶ

むしろお客様には、そのじゃがいもがどんな畑でとれて、どう収穫して目の前にあるのかという背景を合わせてお伝えすることができるのが、飲食店の強みです。

今思えば、畑は先行投資で相当なコストがかかりますし、飲食店経営の方も、常に毎日安定して店を営業し続けなくてはなりません。そういうリスクの高さについて当時は何もわかっていませんでした。勢いだけで飛び込んでしまったところもありますね。

資金繰りは苦しくても、あえてオーガニックへの感度が高いエリアに出店

【Q】実際に畑を持ち、2014年に店舗もオープンしましたが、狙いどおりでしたか?

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WE ARE THE FARM
代々木上原本店

ご縁があって千葉・佐倉で2013年に畑を借りることができ、土作りからはじめて1年後に東京・代々木上原の店舗をオープンさせましたが、資金にはまったく余裕がありませんでした。

店の内装工事も配管を除いてほぼ手作りです。アルバイト募集で来てくれたスタッフに「今から店を作るから」と伝え、空きテナントをイチからリノベーションしました。


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