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台風に集中豪雨…。災害に備えて、飲食店がとるべき対策

2018年08月31日

「基本的に、判断基準となるのは、気象庁が発表する警報や、自治体の避難勧告や避難指示、交通機関の状況などでしょう。ただし、単純に雨量や警報で一律に判断するのではなく、立地によって災害リスクは変わってくることを意識しなければいけません。“河川に近い”“低地にある”“山や崖に近い”など、浸水や土砂災害のリスクがある店舗であれば、警報がでる前段階から避難準備をする判断も必要です。逆に駅前のビルの空中階といった安全な立地であれば、営業を続けることで一時的に身を寄せたいお客様の避難場所にもなりえます」(松島氏)

近隣エリアで営業している場合は、経営者が自身で判断を行えばよい。では、エリアをまたいで多店舗展開している企業の場合はどうだろうか。松島氏は、最終判断は状況が見えない本部より、現地の店舗に任せることを勧めている。

「風雨の激しさがどの程度なのかや、ちょうどお客様が途切れてタイミングがいい、といったことはやはり現場でないとわかりません。本部は現場が正しい判断ができるよう、判断基準を示すガイドラインを整備しておく必要があります。ただし、先ほど申し上げたように、立地ごとに災害リスクは異なりますので、店舗ごとのガイドラインが必要です。同じ浸水リスクのある地域でも、店舗が地下にあるのか、4階にあるかでもとるべき対策はまったく変わってきます。全拠点のリスクを把握してリスト化しておくことで、適切な対策をたてることができるのです」(松島氏)

危機管理のガイドラインの作り方

広島で複数の店舗・拠点をもつ食品加工製造業のB社も、店舗ごとのガイドラインの重要性を感じたという。

「今回の豪雨では、結果として弊社は大丈夫でしたが、工場のひとつが川の近くにあり、氾濫しかかっていました。土砂災害も広い範囲で発生しましたし、どの店舗・工場が山の近くなのか川の近くなのか、立地条件をハザードマップで前もって確認し危機管理するべきだと感じました」(B社)

店舗の災害リスクは、多くの自治体が公表している地域のハザードマップ※で知ることができる。豪雨の場合どうなるか、避難の必要性がある場所なのか、避難はどのタイミングで行うのか、避難場所はどこなのか。こうしたことを災害が起こる前にあらかじめ把握しておくとよい。

※ハザードマップ…自然災害の被災想定区域や被害予測範囲などを避難場所や避難経路などと共に表示した地図

また、このような災害を含む緊急事態に役立つのが、「BCP(事業継続計画)」だ。東日本大震災を機に作成に取り組む企業が増えており、今回のアンケートでも作成済みと回答した企業もあった。興味のある方は中小企業庁の『中小企業BCP策定運用指針』を参考にしてほしい。

お客様の要望に応えつつ、安全も守る

では、台風など大雨の当日は、何を意識すればいいのだろうか。松島氏によると、「刻一刻と変化する状況を自分からつかみにいくことが何よりも重要」だという。

「多くの自治体では防災・避難情報をメール配信するサービスを実施しており、あらかじめ登録しておくことで、リアルタイムの情報を受け取ることができます。また、河川に近く、氾濫や浸水の恐れがある地域は、国土交通省が公表している『川の防災情報』で、近くの河川の水位などを知ることもできることも、知っておいてほしいです」(松島氏)

立地リスクや気象庁・自治体の情報をもとに営業判断をする――。言うは易しだが、すでに店を開けていたり、予約が入っていたりすると、「お客様を優先したい」という思いが生まれるのも当然だ。実際にA社の店舗では、豪雨の中、予約客への確認作業に追われたという。

「当日は金曜日でご予約のお客様も多く、随時、電話でやりとりしましたが、キャンセルされるのかどうか、お客様も迷われていました。結婚式の二次会でどうしてもというお客様や、店舗によってはそこまで雨がひどくないからと来店されるお客様もいらっしゃいました」(A社)

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