未来の飲食店

集客、売上予測、人事の提案も。AI×ビッグデータが飲食店の舵を取る未来

2019年05月02日

「飲食店ではさらに、“だからメニューをこう変えてみよう”といった『メニュー提案』ができるようになると思います。さらに調理自体をロボットに任せることも可能になります」

現時点でもロボットによる自動調理が世界的に注目され、すでに実用化もはじまっていることは別稿でも述べた。山本氏も、下ごしらえを、どんな手順でいつから行うかといったことまで含め、店舗運営がより楽になると予想する。

 「画像認識の精度が上がってきたので、今後は、フライパンの加熱時に火が強すぎる、もうひっくり返したほうがいいといった判断もAIが行うことができます。今まで料理長がしていた指示もAIが出せるようになるでしょう」

また、余剰在庫やロスを減らすため、すでに卸売業や小売業などでは『在庫管理』にAIやビッグデータを活用している。この技術は飲食店にも転用可能だという。採用などの『人材管理』も同様だ。

「採用活動は、いわゆるHRテック(人事にテクノロジーを活用すること)の領域です。最近では一次採用のマッチングなどにかなり高い精度で使えると評価されています。中途採用の場合も過去の勤怠状況など評価の履歴とエントリーシートを紐づけられるでしょう。そこから個人の成長スピードの予測も立てられると思います」

さらに、教育領域のEdテック(教育にテクノロジーを活用すること)の仕組みで人材教育も個々に応じた教育プランが立てられるだろう。オペレーション精度の良し悪しをAIが判断できるようになれば、さらにどう教育すべきかといった提案も可能になる。

「昨今話題の、バイトテロ対策もAIなら今すぐでもできると思います。メニューにないメガ盛りをしているなど、ありえないおかしな動きを検出することは可能です」

頼りになる相棒がいつも傍らに。AIと匠が共存する世界

あまりに技術が進み、機械に行動を追跡される(トラッキング)ことに不快感を抱く消費者もいるかもしれない。ただ、どこまでやると不快に感じるかをAIは察して、適度に調整することもでき、むしろそこは得意とするところだという。

「近年、家庭では対話型のスマートスピーカー(AIスピーカー)が広まっていますが、消費者はまだどこか不自然さを感じながら話しかけている部分があると思います。普及には、“AIを意識させない”という点は重要です。近い将来、ドラえもんほどではないですが、いつも隣に相談できるロボットがいて、パートナーになる世界がやってくるのではないかと思っています。その時にはきっと、経営者や店長のブレーンになってくれるでしょう」

これまで経営者が一身に背負うか、店長任せだった店舗運営も、AIのサポートで手間をかけずとも一定の品質が保てるようになるだろう。また、匠の技などで差別化をはかる飲食店は、強力なブレーンを得ることで多くの雑務から解放され、より個性をのばすことに注力できるはずだ。

取材協力:データアーティスト株式会社 山本覚氏


BtoBプラットフォーム受発注

未来の飲食店 バックナンバー

おすすめ記事

関連タグ

通信暗号化方式「TLS1.0/1.1」「SSL3.0」のサポート終了について
メルマガ登録はこちら