飲食業界なう

悪質クレーマーから従業員を守れ。カスタマー・ハラスメントに屈しない対策5か条

2019年05月15日

⑤その場で回答しない ―― 権限を持つ人は対応しない

つい『なんとかします』などと言ってしまうと、『なんとかするって言っただろう』となりかねない。『自分では判断できません』と回答は後日に持ち越すべきだという。

「その場でのやりとりでは熱くなりますので、冷却期間を置きましょう。また、すぐ判断できる権限の人が出てくると、『じゃあアレもしろコレもしろ』と要求がエスカレートしがちです。経営陣が対応するのは、避けましょう」

とはいえ、小規模な店舗は経営者自身が対応せざるをえないこともある。その場合は、あくまでカスタマー担当者として接し、経営者だと名乗らないのもひとつの方法だ。

カスハラを生まないために、飲食店ができること

最終的な顧客対応の解決方法は、ブランドイメージや業態によって変わってくるだろう。だが、いずれにしても到底受け入れがたい無理な要求には、はっきり断る姿勢が必要だ。

「そのためにも序盤は話を聞くだけ聞いて、いったん持ち帰り、このような対応になります、と毅然と示すことです。返金またはサービス券を出す、病院に行くなら治療費を出す、あるいは何もしないと決めたら何もしない。加入している保険業者に任せてもいいでしょう」

『裁判を起こす』などと、恫喝まがいに言うクレーマーが、実際に行動することはほぼない。また、『ネットに書き込む』という人は、何をどうやっても結局書くという。

「要求を断れば“こんな仕打ちをされた”と書き、返金すれば“文句言ったらタダになった”と書くでしょう。悪質なクチコミを書かれた場合、クチコミグルメサイトでは、投稿記事の公開基準が規約で決まっていますので、抵触する内容なら申し出れば公開を停止してくれる場合があります」

一方で、SNSやブログは書き込んだ当事者に削除を促す必要があり、弁護士に依頼するといった手段が必要だ。ひとつの書き込みを消すのに時間や費用もかかる。

「落書きみたいなものですが、書かれたお店は気になるでしょう。でも、特定の人につけられた星1つを気にするより、5ツ星を10個とって平均値を上げるほうが現実的です。どちらの言い分が正しいか、第三者もおのずと判断がつくはずです」

悪質クレーマーは接客のささいなミスをすかさず突いてくる。無用なトラブルを生まぬよう、顧客対応はリスク管理をしっかりマニュアル化し、現場の個人任せにしない体制を整えておきたい。

取材協力:弁護士法人横浜パートナー法律事務所 飲食店専門弁護士

関連書籍

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「飲食店の危機管理【対策マニュアル】BOOK」(著:神村護、赤土亮二、石﨑冬貴)
価格:1,600円(税別)
発行:2018年11月22日
出版社:旭屋出版
ISBN:978-4751113363


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