愛されるお店の作り方

らーめん1杯1080円。苦渋の価格改定を断行し、お客・従業員・会社の三方よしを実現させた人気店~AFURI

2019年06月10日

近年、訪日外国人観光客は渡航の主目的が買い物から“体験”にシフトしているといわれる。わかりやすい観光地巡りや免税店での買い物よりも、日本ならではの体験を得たい、感じたいというニーズが高まっているのだ。ジャパニーズフードとして海外に広まっているらーめんを本場で味わいたい、というインバウンド需要にAFURIは応え続けてきた。

「ねじり鉢巻で腕組みをした頑固そうな職人が『へいらっしゃい!』というレガシースタイルもひとつの体験です。それに対して、我々はもっとポップで親しみやすい、ワールドワイドなスタイルを提供できればと考えています。

らーめん業態は、味の系統も価格帯も、非常に細分化されています。その中のひとつのスタイルとしてAFURIを築いてきた自負があります。『罪悪感の少ないらーめんを食べたい』『ちょっと贅沢したい』、そんな時に思い浮かぶ店でありたいと思っています」

看板メニューが1080円。らーめん業界に一石を投じる価格改定

AFURI 常務取締役 平田展崇氏

常務取締役 平田展崇氏

2018年6月、AFURIは大きな決断を下す。すべてのメニューの価格を見直し、100円~の値上げを行ったのだ。その結果、看板メニューの「柚子塩らーめん」は、1080円となった。スペシャルメニューではない、お客の3割以上が注文する看板商品の1000円超えは、らーめん業界では異例だ。

「蕎麦やパスタなら1000円、2000円と払うのに、我々日本人は、1000円を超えるらーめんを高いと感じます。安くて早くて当たり前のB級グルメ、ファストフードだという根強いイメージがあるのです。確かに、お客様にお出しするところだけ見れば、麺を茹でて、丼にスープを注ぎ具を乗せるだけ、かもしれません。

でも、それはいわば調理工程のハイライトで、他の料理と同様そこに至るまで非常に手間がかかっているんです。本当は1500円だって安いくらい、B級どころか日本が誇るべき、世界に通用する料理だと思います」

実際に海外では、らーめんはファストフードではなく高級なスローフードとして認知されている。欧米では、多くの人々が列をなして、日本の物価に換算すると2000円超に相当するようならーめんを楽しんでいるという。

AFURIらーめんスープの仕込み

らーめんスープの仕込み

「誤解しないでいただきたい点として、らーめんにはさまざまなジャンルがあります。ワンコインでさっと食べるらーめんだってあります。あらゆるらーめんをすべてひとくくりにして“安い食べ物”としてしまう事に無理があるということです。

そのために、オーナー店長が毎日寝食を犠牲にして働いたり、従業員が体を壊してしまったり。多くのらーめん店で、どこかにひずみが生じています。

らーめん業態は飲食店の中でも求人が難しいといわれます。私もそうでしたが、独立を前提にした転職も少なくありません。AFURIも長年人手不足に苦しみ、新店舗の出店の際は全員出動、スクランブルみたいな状態でてんやわんやでした。

しかし、永続性を考えると、お客様も、従業員も、そして会社も、すべてを立てる『三方よし』でなければビジネスとして成立しません。そこで、AFURIがAFURIとして続けていくために、『従業員の待遇改善を目的とした価格の見直しをさせてください』とお客様に事情を説明し、頭を下げたんです。

料理・おもてなし・空間へのこだわりに一切の妥協はありません。それに対し、相応の対価をいただくことで会社として従業員に還元でき、永続性のあるビジネスとし成立します」


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