イマドキIT事情

急速に拡大する飲食店のデリバリーサービス。今注目の企業はどこか?

2019年09月04日

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先端テクノロジーによる新たなサービスが次々登場し、世の中はめまぐるしく変化している。食の産業も例外ではない。食材の発注や予約管理を電子データ化するクラウド型サービス、QRコード決済によるキャッシュレス化など、外食産業をとりまくITサービスは進化し続けている。今、どんなITサービスがどんな発展をみせているのだろうか。

飲食店を経営する上で知っておきたいイマドキIT事情として第1回は、「デリバリーサービス」を紹介する。Uber Eatsの上陸で従来の「出前」のイメージは大きく変わった。これまで人手が割けずデリバリーが行えなかった飲食店にも、配達代行による新規参入の可能性がみえている。

外食産業におけるデリバリーサービス、これまでの歩み

外食産業におけるデリバリーの歴史は長い。「出前」や「仕出し」は、江戸時代まで遡ると言われている。そばや寿司などあらゆるものが「店屋物(てんやもの)」と呼ばれ、配達されてきた。

1980年代になると、ピザなどのデリバリー専門業態も登場した。注文方法はながらく電話が主流だったが、2000年代に入るとインターネットでの注文が可能となり、近年ではネット注文の比率が高まりつつある。

江戸時代 ・出前文化が花咲く
1985年 ・ドミノピザ1号店オープン
チラシを見て電話で注文するというスタイルが長く続いた。
2000年 ・「出前館」が日本初の宅配ポータルサイトを開始
インターネットから注文できるようになる。
2002年 ・「楽天デリバリー」が運用を開始
2016年 ・アメリカ発の「Uber Eats」が日本に上陸
デリバリーサービスができない飲食店の配達代行を行うことで、飲食店から支持される。
2017年 ・「LINEデリマ」が運用を開始

※各企業HPやプレスリリースを参照し、調査できたもののみ記載

料理宅配・フードデリバリーで注目を集める主要プレーヤーは誰か

従来の出前のイメージを覆したのが、2016年にアメリカから上陸した「Uber Eats」による「配達代行」だ。自前で配達を行えない個店でもデリバリーサービスが可能となった。

また、「出前館」に代表されるポータルサイトの成長は消費者の利便性を高め、利用シーンを増やしている。デリバリーサービスに参入する企業の増加で、中小規模の飲食店でも新たにデリバリーをはじめるハードルが下がってきた。それぞれの特徴を見てみよう。

Uber Eats

会員数 非公開
店舗数 7,000店舗
手数料 非公開
特徴、
ほかとの違い
飲食店の配達を代行するサービスのさきがけ。「配達パートナー」に登録した個人が、配達を代行する。注文と配達代行はセットになっており、自前で配達ができない個店の利用が多い。大手チェーンではマクドナルド、吉野家、スターバックスなどの一部店舗が利用。東京を中心に関東4県、名古屋、京阪神、福岡の都市部でサービスを提供している。

 

出前館

会員数 284万人[直近1年間に1回以上注文した会員]
店舗数 1万8,760店舗
手数料 初期費用:平均35,000円
月額費用:3,000円/店
オーダー手数料:注文金額(税抜)の5%
特徴、
ほかとの違い
日本最大の出前専門サイト。自前で配達できる宅配ピザや弁当などの大手チェーンの利用が多い。配達代行は、新聞販売店や宅配寿司チェーンと提携し、関東・関西・中京・福岡エリアで展開している。

 

Dデリバリー

会員数 非公開
店舗数 1万4,000店舗以上
手数料 出前館への出店に含まれる
特徴、
ほかとの違い
ドコモユーザー向けのサービス。ドコモ回線を契約していればユーザー登録情報が利用でき、通話料金等とまとめて支払できる。注文~配達は提携先である出前館のシステムを利用している。

 

LINEデリマ

会員数 2,000万人以上[LINEデリマ公式アカウントの友だち数]
店舗数 1万4,000店舗以上
手数料 出前館への出店に含まれる
特徴、
ほかとの違い
LINEユーザーのみが利用できるサービス。登録ユーザーの約7割が女性で、特に20代が最も多いのが特徴。注文~配達は提携先である出前館のシステムを利用している。

 

楽天デリバリー

会員数 非公開
店舗数 1万2,000店舗以上
手数料 非公開
特徴、
ほかとの違い
楽天ポイントが利用できる『楽天経済圏』のサービス。自前で配達できる宅配ピザや弁当などの大手チェーンの利用が多い。配達代行サービスは、東京都内23区のみ対応。

 

ぐるなびデリバリー

会員数 約1,700万人[ぐるなび会員]
店舗数 非公開
手数料 非公開
特徴、
ほかとの違い
会議や研修向けの大量弁当配達に強い。自前で配達できる、宅配ピザや弁当などの大手チェーンの利用が多く、配達代行は一部店舗の配達専用弁当のみ。

 

今後のデリバリー市場はどの様に変化するのか

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市場調査会社のエヌピーディー・ジャパンによると、2018年の外食産業のデリバリー市場規模は4,000億円を突破し、前年比5.9%増の4,084億円だった。2015年以降、前年比105%程度で市場規模が成長しており、今後も緩やかに伸長すると予測される。

外食産業の市場規模が前年比102%程度で推移する中、デリバリー市場は105%程度で成長を続けており、社会的にも注目が高まっている。10月にはじまる軽減税率の対象となる点も、理由のひとつだろう。

一方、これまで主流だった電話での注文比率は、2021年には6割を下回るという予測もある※。近い将来には、従来の〝出前〟のイメージを覆す業態が生まれそうだ。実際、シェアキッチンとデリバリー代行を活用した、実店舗を持たない業態も既に存在する。自店に配達手段がない飲食店でも配達代行を行うITサービスを使うことで、デリバリーを希望する客へアプローチできる時代の到来といえる。

※出所:夢の街創造委員会「個人投資家向け会社説明会資料(2018年1月現在)」


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