飲食店のインバウンド対策

クチコミサイトで外国人観光客を集客~飲食店のインバウンド対策(前編)

株式会社船井総合研究所 フード支援部 部長 上席コンサルタント 二杉明宏  2019年08月09日

飲食店のインバウンド・ビジネス対策【集客編】

国内における外食産業の市場が伸び悩む一方で、外国人観光客(インバウンド)は増加の一途をたどる。その多くは日本での飲食体験に大きな期待を寄せている。拡大が約束された市場を前に対応をとらないのは、数千万人の売上を取りこぼすことに等しい。では、どのような対策を取ればいいのだろうか。前編ではクチコミサイトでの集客方法、後編では翻訳ツールを使った接客方法を紹介する。

監修:株式会社船井総合研究所 フード支援部 部長 上席コンサルタント 二杉明宏氏

拡大を続ける巨大市場

2018年、日本を訪れた外国人観光客は3100万人を突破した。20年の東京オリンピック・パラリンピックや25年の大阪・関西万博開催、アジア圏の経済発展などを背景に、今後もさらなる増加が見込まれる。政府は観光立国化をめざして、20年の外国人観光客を4000万人、30年には6000万人に増やす目標を掲げている。

外国人観光客数の2009~2018年動向〔参照:日本政府観光局(JNTO)〕

外国人観光客数の動向〔参照:日本政府観光局(JNTO)〕

インバウンドの観光市場は、20年に8兆円に上るといわれる。そのうち飲食が占めるのは約15~20%。単純計算で、およそ1兆2000億円以上のマーケットだ。日本の外食産業で1兆円を超える単一業種の市場といえば、居酒屋、寿司、喫茶などであり、インバウンドの市場規模がいかに巨大かイメージできるだろう。 さらに30年に見込まれている15兆円の観光市場では、飲食のインバウンド市場規模は2兆円を超えてくる。

 

訪日外国人別 外食消費額&シェア〔参照:日本政府観光局(JNTO)〕

訪日外国人別 外食消費額&シェア〔参照:日本政府観光局(JNTO)〕

外食企業の事業拡大に インバウンド対策は必須

これまでインバウンド対策を講じてこなかった飲食店も、何らかの取り組みをすべき時期にさしかかっている。すでにインバウンド対策をとったことで、売上が従来の2倍以上になったという飲食店も多く出てきている。

実は、飲食店におけるインバウンド対策では、いくつかのポイントを押さえることで、外国人の顧客満足度を高め、集客につなげることができるのだ。

飲食店のインバウンド対策の流れ
集客対応 ●ネット予約サイト、ポータルサイト、検索サイトの活用
●旅行雑誌・海外サイトへの広告掲載
●海外で使用されているSNSでの情報発信
●近隣ホテル・外国人観光案内所への営業、クーポン付きチラシの作成
●店頭看板の多言語化の実施
予約対応 ●ネット予約サイトの多言語対応、顧客台帳の管理
接客対応 ●外国人用接客シートの活用、従業員の外国語教育
注文対応 ●メニューブック、食べ方・こだわりの多言語対応
決済対応 ●キャッシュレスに対応した電子決済端末の導入
クチコミ対応 ●クチコミ先の媒体登録、コメント返信

 

インバウンド市場は成長とともに変化もする。今後は、初めて日本を訪れる外国人観光客に加え、2回目、3回目というリピート客が一層増加すると見込まれる。

また、団体旅行から個人旅行へのシフトや、これまでは訪日外客数が少なかった国や地域からの、新たな外国人観光客も増えている。インバウンド対策とは、「メニューを翻訳した」「クチコミされやすい料理を作った」「キャッシュレス決済を導入した」といった点だけの対応ではない。

大切なのは、国内客と同様に、効果的に集客し、リピート率を上げる戦略を立てることだ。このような変化に継続的に対応するには、インバウンド対策を追求し続ける専任者を置くことが重要だ。その上で実際に何をすべきか。次から具体的な対策方法を見ていきたい。


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執筆者プロフィール

株式会社船井総合研究所 フード支援部 部長 上席コンサルタント 二杉明宏 

同志社大学大学院法学研究科卒業後、2000年、船井総合研究所に入社。飲食業専門コンサルタントとして、10以上の業種で活動。業態開発、新規出店、多店舗展開などを得意とする。ローカルチェーンからナショナルチェーンまで、支援先企業は年商1億~700億円と幅広い。船井総合研究所フードビジネス専門サイト『フードビジネス.COM』

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