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改正入管法で外国人のアルバイト採用拡大のきざし。特定技能契約のポイントと飲食店経営者がすべきこと

2020年02月28日

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飲食業は2023年に約29万人の人手が不足するという政府の試算がある。IT化などの生産性向上や国内人材確保に取り組んでもなお、解消は困難とみられている。労働人口が減少する一方で、外食の価値である手作り感やホスピタリティあるサービス、臨機応変な状況判断は機械化できない。

この問題の対策として、即戦力となる新たな外国人材を受け入れるべく、2019年4月に「改正出入国管理法」が施行された。国は、飲食業だけでも5年で最大5万3000人の受け入れを見込んでいるが、現時点では制度の複雑さが雇用の壁になっている。法改正で可能になった新たな外国人材の雇用方法と可能性を解説する。

飲食業で働く外国人材のこれまで

飲食業で働く外国人労働者は2018年の時点で約16.7万人。永住者や外国料理のシェフ等をのぞくと、ほとんどが留学生や家族滞在※のアルバイトだ。外国人が日本に入国・滞在する際には、活動目的によって発行される査証(ビザ)の種類が違い、これを「在留資格」という。

※日本で働く外国人の配偶者・子の在留資格

■外国人が日本に上陸する際に必要なもの

在留資格 日本に滞在するための資格
出入国在留管理庁で発行される
査証(ビザ) 日本に入国するための許可証
海外の日本大使館・領事館で発給される


出入国管理及び難民認定法(入国管理法)は日本人の雇用を守るという考えも含んでいるため、外国人は「留学」や「家族滞在」という在留資格では本来、就労できない。就労は資格外活動の許可を得ることでアルバイトとして可能となる。ただし、労働時間は週に28時間を超えてはいけないなどの制限がある。

就労が認められているのは、専門的・技術的分野の在留資格か、永住・定住者といった身分や地位に基づく在留資格に限定されている。飲食店で日本人ができる調理や接客といった一般的な業務内容では、その他の外国人を社員として雇用できなかった。そのため現状では飲食業で働く外国人の約70%を占めるのが、資格外活動のアルバイトなのだ。

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資料:厚生労働省「外国人雇用状況」の提出状況まとめ(平成30年10月末現在)
を元に農林水産省で作成 より抜粋

中小規模の飲食事業者をはじめ深刻化する人手不足への対応の一助として2019年4月に施行された「改正出入国管理法」。新たな在留資格「特定技能」が創設され、外食業のほか介護や建設といった14の分野で、これまで許可されていなかった業務内容で外国人材の雇用が可能となった。 

なお、特定技能は1号と2号に分かれる。ただ、現時点で外食業分野に関わるのは1号のみのため、以下は「特定技能1号」を前提に解説する。

「特定技能」で外国人材も日本人スタッフと同等の働き方へ

在留資格「特定技能」での在留期間は上限5年。外食業分野では、飲食店やテイクアウト、デリバリーサービス業態で一定の知識と技能を有した即戦力となる外国人材を雇用できる。(風俗営業法で規定する接待飲食営業を除く)

飲食物調理、接客、店舗管理など一般的な飲食業の業務全般にわたって就労が可能だ。また材料調達や配達などの関連業務も認められている。なお、勤務時間はフルタイムとされている。

※労働日数が週5日以上かつ年間217日以上。労働時間が週30時間以上であること。

■外国人が外食業分野で特定技能を取得するには

外国人が特定技能で在留資格を得るためには特定技能評価試験に合格する必要がある。試験は以下に掲げる (1)技能試験と (2)日本語試験の2種類だ。 

種別試験名実施場所特徴
(1) 技能試験 外食業技能測定試験 国内・国外 「衛生管理」「飲食物管理」「接客全般」に対する知識・技能、また、業務上必要な日本語能力水準を確認する。

国内試験実施のスケジュールと受験に必要な学習用テキストは、一般社団法人日本フード協会のホームページで公開されている。
(2)日本語試験 日本語能力試験(JLPT)(N4以上) 国内・国外 ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を確認する。
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) 国外のみで実施


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