ホテル・旅館のIT経営

内部統制の強化で購買業務をシステム化。職場を改善して、従業員の社交場に変える~ダイヤモンドソサエティ・中田将道社長

2020年03月25日

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会員制リゾートホテルの先駆けとして全国に12の宿泊施設やゴルフ場を持つ、株式会社ダイヤモンドソサエティ。内部統制の強化のために受発注システムを導入し、確実な購買管理だけでなく従業員の残業時間も削減。働き方改革につながりました。

職場環境を改善してスタッフ同士の社交場にすることが、お客様へのサービス向上になるという中田社長。その意図を伺いました。

歴史ある会員制ホテルが目指す、温かみのある“至高の社交場”

【Q】近代の会員制リゾートホテルの先駆けと伺いました。

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1973年にオープンした「ダイヤモンド軽井沢ホテル」にはじまり、現在は、国内12ヶ所のホテルとゴルフ場1施設を運営しています。煌びやかなハイクラススタイルというより、「おかえりなさい」とお出迎えするような、温もりのあるおもてなしを心がけてきました。

個人と法人をあわせ、2万人近いお客様に、別荘のようなプライベート空間でおくつろぎいただいています。

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代表取締役社長 中田 将道 氏

社名どおりの、“至高の社交場”が弊社の企業理念です。長く会員制を貫いていますので、ホテル滞在を通じた会員様同士の交流もうまれています。また、ありがたいことに弊社スタッフに会うのを楽しみにお越しになるお客様もいらっしゃいます。

そうしたつながりに加え、昨今はスタッフ同士の交流も深まる場であるべきだろうと考えるようになりました。社会的な働き方改革の波もあり、特にスタッフ間の関係性を重視した職場環境の改善を意識しています。(代表取締役社長 中田将道氏。以下、中田社長) 

【Q】スタッフの関係性改善のために、心がけていることはありますか?

同じ空間で同じ仕事をする以上、スタッフ同士のコミュニケーションを図らなければ、お客様に喜びをご提供できません。上に立つものは「自分たちがそうだったから」という意識を変えるのが肝心だと思っています。

我々は、料理の世界に入った以上はどんな指示でも修行と考えた世代です。サービス残業という概念すらなく、仕事とプライベートに境界もありませんでした。しかし、同じことを今の20代、30代のスタッフに求めるのは時代錯誤です。彼らはスキルアップには意欲的ですが、関係ない、ムダだと感じることはやりたがりません。オンとオフのメリハリをつけて、やりがいのある仕事と充実したプライベートを求める世代です。

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ダイヤモンド滋賀 料理長
高山 秀樹 氏

その価値観を理解し、彼らが気兼ねなく休めるよう、私も公休だけでなく有給を率先して使うようにしています。私がしっかり休めているという姿を見せないと、誰も料理長を目指さないでしょう。

時間の使い方も考え、任せられる仕事は意識的に任せるようにもしています。そうすることで、責任ある仕事にやりがいも感じてもらえます。

何より心がけているのは、置かれている状況すべてにおいて、まず自分自身が楽しむことです。自分が楽しくないのに部下が楽しいはずがありません。(ダイヤモンド滋賀料理長 高山秀樹氏。以下、高山料理長)

【Q】 改革で、特に力を入れている点を教えてください。

適正な人件費率はホテル全体のテーマです。単純な効率化だけではなく、スタッフの意識の持ちようもあわせて利益体質を目指しています。加えて、レストラン部門はホテル業の中でも一番残業が多く高いコストを占めますので、食材が適正な原価率を保っているかのチェックも欠かせません。原価管理は日々、食材の発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』を使ってしています。(中田社長)

過去に起きた不祥事をきっかけに内部統制と購買管理を強化

【Q】発注をシステム化したのはどういった理由からですか?

大きな目的は、内部統制による食材の購買管理のためです。その背景には、恥ずかしながら、過去に発覚した従業員の不正があります。仕入れ業者と癒着しリベートを受け取っていたのです。内部統制の導入後、全国のホテルで複数の料理長が去っていきました。(中田社長)

私が着任したのは、その数年後です。ただ、以前在籍していた別の大手ホテルでも、まったく同様の出来事がありました。不正は起こす人間のモラルの問題もありますが、そもそもできない、発生しにくい体制づくりが必要でしょう。

とはいえ、そのためには仕入れ業者を選定する段階から、食材の購買、在庫管理まですべて記録に残し監視しなければなりません。これらをアナログで実施するのは相当な手間がかかります。結局おざなりになって不正につながってしまう、という構造が、どこにでもありうるのだと思います。(高山料理長)

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ホテル事業部 係長 廣瀬 敦彦 氏

実際、不正発覚後は厳格なルールを設けて、エクセルで作ったフォーマットに日々の仕入れ品をひとつずつ打ち込むようにしました。しかし作業に時間がかかるうえ、膨大な量の書類を確認しないとチェック機能は果たせません。

管理体制を強化しても、手作業では防止対策として限界があります。システム化は必須だと痛感しました。(ホテル事業部係長 廣瀬敦彦氏。以下、廣瀬係長)

【Q】 システム導入の効果はいかがですか?

受発注システムなら取引の履歴がすべて残り、改ざんもできません。これまでアナログで行っていた作業が一気通貫で完了し、どの業者とどんな取引をしているのか、画面上の履歴から一目で確認できます。購買の状況が目標値から大きく逸脱していないか、毎日チェックをしています。システム管理の必要性と同時に手作業で行う大変さもよくわかったので、本当に便利だと感じます。(中田社長)

すべての取引が可視化され、誰がいつ見ても状態を把握できるのがありがたいですね。全国の現場の様子が、管理部門でも正確かつ詳細にわかります。たとえば、原価が月半ばで適正値を超えてしまう場合、紙の伝票だと本来当月支払いするものを来月に回して帳尻をあわせる、といったことができてしまいます。『BtoBプラットフォーム 受発注』では、それはできないので、コストやコンプライアンスに対する現場の意識もすごく変わったと思います。(廣瀬係長)


ダイヤモンドソサエティ推薦!BtoBプラットフォーム受発注

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