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終わりが見えないコロナショック。外食文化を守るには、政府と他業界の協力が不可欠

2020年04月01日

終わりが見えないコロナショック。外食文化を守るには、政府と全業界の協力が不可欠

新型コロナウイルスによる飲食業への影響拡大が止まらない。東京都の小池都知事は2020年3月30日の緊急記者会見で、不要不急の外出を控えるよう改めて呼びかけた。特に、夜間から早朝にかけて営業する酒場やバー、スナックなど接客を伴う飲食店は、当面の夜間利用の自粛が求められた。多くの飲食業にとって来客や売上の減少だけでなく、資金繰りに苦しむところも増えそうだ。

先が見えない自粛の空気を、どう乗り切るか。外食業界の現状と今後の方策を、一般社団法人日本フードサービス協会(JF)の石井常務理事に聞いた(取材日:2020年3月27日)。

全国では5割の減収になる見込み

飲食店への新型コロナウイルスの影響は2月半ばからじわじわと出始め、深刻化したのは2月後半から。2月28日の安倍首相からの「全国の小中学校・高校・特別支援学校の臨時休校」要請、北海道の緊急事態宣言を受けて、真っ先にその影響が出た。石井常務理事は、当時から今も続く状況を訴えた。

「まずインバウンドが大きく減少しています。海外の中でも中国からの観光客は全外国人観光客の3割を占めていますから、このまま影響が続けば大変なことになります。北海道の札幌地区では、売上が7割減ったというチェーンもあります」

インバウンド需要が売上の多くを占めるエリアや業態によっては、すでに休業を余儀なくされている事業者も出始めた。全国でも、コロナウイルスの影響によって飲食店の売上は5割ほど減る見込み。3月に入ってからは、歓送迎会など宴会の多くがキャンセルとなり、ショッピングセンターなどの商業施設でも営業時間を短縮する動きが出ている。

「一方、デリバリー業態では需要が増えて、人手不足となっているところもあります。またマスク不足でマスクを着用できない配送員に顧客がクレームを寄せるという話も聞かれ、マスク不足は今も深刻です」

多くの飲食店は2ヶ月が限界

今後、影響が長引くにつれ、経営の安定感は失われていく。飲食店の9割以上は、経営基盤の弱い中小企業だ。石井常務理事は、「多くの中小零細企業にとって、運転資金は2ヶ月が限界」と指摘する。

「3月末に首都圏を中心とした外出自粛要請が出たことで、影響はますます拡大しています。これが4月末まで続けば、店舗に売上が入らず、賃料に水道光熱費、食材費、人件費などが支払えません。当協会の会員企業からも不安の声が多く寄せられていますし、経営危機に直面する事業者が急増することを恐れています。新型コロナウイルスの感染拡大はピークアウトがまだ見えず、消費マインドの落ち込みと節約志向は長引くでしょう」

もしこのまま状況が改善されない場合、どうなるのか。売上が入らない状態が2ヶ月続けば、中小の飲食事業者は資金ショートを起こす。デッドラインは4月末からゴールデンウィークにかけてだ。このままでは、大げさでなく、街から飲食店が消えてしまうかもしれない。

外食産業はひとつの文化であり、国民の生活を支える食のインフラでもある。街から飲食店が消えれば、コロナウイルスの影響が収束した際に失われるものは計り知れない。リミットは今後1ヶ月といっても言い過ぎではないだろう。

喫緊の課題は資金繰り。JFは債務保証制度を政府へ提案

与党は31日、新型コロナウイルス対策として、事業規模で60兆円にのぼる経済対策を提言した。リーマンショック時の2009年を上回る規模だ。売上が減った中小企業や個人事業主への資金繰り対策も含まれる見込みだが、4月末のデッドラインに間に合うかは分からない。

日本フードサービス協会でも、売上が減少した外食事業者に対する債務保証制度の基金創設を政府に求めている。具体的には、外食事業者が銀行などの金融機関から融資を受ける際、一定の条件で融資額の債務保証を行う計画だ。2000年代初頭に牛海綿状脳症(BSE)問題で、牛肉メニューを中心とする外食企業が経営危機に直面した際も、日本フードサービス協会は同様の債務保証制度の創設に取り組んだ。

今回のコロナショックは、外食産業にとって、BSE問題やリーマンショックよりも長期にわたるダメージが予想されるため、資金繰り悪化に歯止めをかけるには銀行や信金などの金融機関の協力とともにこうした債務保証制度による経営支援も必要になる。

新型コロナウイルスの影響により、世界中が未曾有の経済危機に瀕している。経営基盤の弱い外食事業者にとって、資金繰りの悪化は特に深刻だ。外食をめぐる周辺事業者との協力は欠かせない。石井常務理事は最後に語った。

「飲食業界にとっては、先の見えない状況が続きます。売上が元に戻るには数年かかるかもしれません。何より、外食を自粛される風潮が長引くことが心配です。本来、外食は楽しく、人々の生活を明るくするものです。そうした空気が、社会から消えること自体を恐れています。コロナウイルスの影響下にあっても、外食産業としてお客様に何ができるのか、業界全体で考えていきたいと思います」 終わりの見えないコロナショック。対策は待ったなしだ。


「飲食店がコロナショックを乗り切るための緊急資金繰り対策』

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