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今からはじめる飲食店のテイクアウト・デリバリー売上・集客力アップ策~新型コロナの長期化に備えて

2020年04月30日

今からはじめる飲食店のテイクアウト・デリバリー売上・集客力アップ策~新型コロナの長期化に備えて

新型コロナウイルス感染症の影響で消費者の外出自粛が続く中、新たにテイクアウトやデリバリーといった中食事業に取り組む飲食店が増加している。とはいえ、これまでの売上には及ばない状況に悩む経営者も少なくないだろう。

飲食業のコンサルティングを得意とする船井総合研究所によると、これからテイクアウト、デリバリーをはじめる中小規模の外食事業者でも、戦略次第で平均20万円以上の日次売上を確保できるという。実際に新型コロナ対策の中食事業で成果をあげている飲食店の事例をまじえながら、巣ごもり需要獲得の手法を解説する。

監修:株式会社船井総合研究所フード支援部 グループマネージャー シニア経営コンサルタント 小林 耕平氏

テイクアウト・デリバリーのポータルサイトは処理待ち状態

新型コロナウイルスによる飲食業への影響が続く中、総菜や弁当販売、デリバリーを専業とする中食の事業者は売上を順調に伸ばしている。それに対し、営業時間の短縮や休業を求められてテイクアウトやデリバリーをはじめた飲食店の多くは厳しい状況にあるという。株式会社船井総合研究所で、特に中小規模のフード事業者向けに経営コンサルティングを行っている小林耕平氏は指摘する。

「中小規模の飲食店が新たに中食事業に参入する場合、外部のポータルサイトやデリバリーサービスを利用するケースがほとんどでしょう。しかし、この状況下でどのサービス企業も新規の加盟希望が殺到していて処理が追い付かず、出店登録できない状態が続いています」

ポータルサイト頼みの待ちの姿勢では、売上獲得は期待できない。当座をしのぐためにも、自店の既存のリソースでできる範囲の戦略に打って出るべきだろう。

売上確保はターゲット・商品・価格の最適化にあり

小林氏によると、船井総研が支援するとんかつ業態の企業は、新型コロナ対策で店内提供からテイクアウト・デリバリー専門に切り替えた。初日から15万円以上を売り上げ、今もそのペースを持続させている。その他でもテイクアウト・デリバリー事業の強化で月商300~500万円の売上を確保できる企業は増えているという。

とはいえ、多くの飲食店にとって    今いきなりテイクアウト・デリバリー専業に転換するのは難しいだろう。ただ、成功している事例をみると新型コロナの影響下で、消費者ニーズは比較的明確になりつつある。大きくわけて、家庭向け需要と事業所向け需要だ。

新型コロナの影響下で需要のある食事の案件と対応商品

ターゲットニーズ対応商品
家庭 巣ごもり
(夕食・昼食)
弁当・惣菜・盛り合わせ
買い置き
(夕食・昼食)
レディミール
(冷食・チルド)
家庭でのお祝い
(プチ祝い)
オードブル
(お祝い)
事業所
(役所・医療機関・介護施設等)
ランチ難民 ランチ弁当・惣菜
事業所
(寺・神社・葬儀社等)
案件持続・単価減
提供事業者減
法事弁当

 

 「家庭向けと一言でいっても、巣ごもり需要には弁当や総菜が求められます。一方で、買い物にあまり出たくないといった買い置きニーズに対応できるのは調理済みの冷凍・チルド商品です。これまでお店で楽しんでいたちょっとしたお祝い事などを家庭に置き換えるなら、オードブルの盛り合わせにニーズがあるでしょう。

また、役所や医療機関などで出勤を続けている事業所の方々は、飲食店の営業自粛でランチ難民になっています。そうした方や単身世帯向けには、弁当や総菜を売る形になるでしょう。その他、立地によっては寺社やセレモニーホールの法事用仕出しというニーズもあります」

さらにポイントとなるのが価格の最適化だ。テイクアウト、デリバリーでうまくいかない店舗の多くが、ターゲットの最適価格より高く販売しているために売上が伸び悩むといったケースだという。以下に立地やターゲットごとに売れている価格帯を示す。

立地郊外繁華街オフィス街
ターゲット ファミリー層 事業所 単身&事業所 事業所
展開商品 ディナー
惣菜
ランチ
弁当
ランチ&ディナー
弁当・惣菜
ランチ
弁当
販売方法 テイクアウト&デリバリー デリバリー
価格 400~800円/人
800~1,200円/人
350~650円/人 400~1,200円/人 350~650円/人
800~1,200円/人

 

たとえばファミリー層向けの弁当は400~800円がボリュームゾーンだが、コンビニや給食会社の弁当などの競合がある事業所向けの弁当販売は、350~650円と単価が比較的低めになる。 

またエリアにもよるが、単身世帯向けの夕食惣菜であれば400~1200円と幅広い。ファミリー層向けのディナー用途を考えると、ひとり当たりの価格をおさえた盛り合わせ商品が売りやすく、800~1200円程度と考えることができる。現状では、テイクアウトやデリバリーで成果を出しやすいのはファミリー層や稼働中の事業所が固まっている郊外地域ではないかという小林氏。

「繁華街やオフィス街は人通り自体少なく、勤務上は出歩いて購入できない場合もあり、デリバリーが喜ばれることが多いです。自店舗の立地とターゲット層の特徴を改めて整理することで、商品の方向性もみえてくるでしょう」

集客はインターネットとチラシDM双方で

ターゲットを絞り、商品開発ができたら集客策も重要になる。コロナショックで苦境にある飲食店のサポート策として、Googleは検索結果やGoogleマップ上に飲食店のテイクアウト、デリバリー情報を表示している(Googleマイビジネスへ要登録)。そのほか、Facebook、twitterなどSNSへの投稿、インフルエンサーによる拡散、クラウドファンディング活用といった集客策が考えられる。

2015年から増えるデリバリー市場規模

「その際は、自店の看板メニューをテイクアウト用に訴求強化するといった工夫もあるといいでしょう。

たとえば、あるグルメバーガー専門店の場合、一番人気の「肉尽くしバーガー」にかけるミートソースの量を増やし、見栄えよい盛り付けに変えるといったテイクアウト向けのブラッシュアップをはかりました。

結果、SNSでの拡散などで売上を前年同月対比200%、人時生産性は1.5倍という効果を得ています」

また、テイクアウトやデリバリーの場合、メインになる客は店舗のあるエリアの在住在勤者なので、当然オフラインでの集客策も必要だ。同じ店舗でも家庭向け、事業所向けそれぞれに商品開発したのであれば、チラシも家庭向けポスティング、事業所向けにはFAXやDMを使った集客などが考えられるだろう。

コロナショック長期化に対応する飲食業の事業転換は必須

新型コロナウイルスの収束はいまだ先行き不透明だ。また、収束したとしてもすぐに景気や自粛ムードが回復するわけではない。外食事業者は、食事と飲み物を提供する場という機能のみの営業では、経営の持続が難しくなることも考えられる。テイクアウトやデリバリーは決してその場しのぎではなく、中長期的な視点で取り組んでほしい。アフターコロナでは従来の1業種1業態1エリアといった経営だけでなく、中食事業の本格的な展開といった事業再編も含めた、様々な可能性がある。 

その際は、経営者ひとりで悩むのでなく外部のブレインに助言を求めるのもひとつの手だろう。船井総研では様々な業態・規模の飲食店の事業転換を手掛けた実績があり、相談を受け付けている。

現在、行政や各自治体の雇用調整助成金や補助金も少しずつ形を見せ始めている。それらも活用しながらできるかぎりの資金調達を行ってほしい。新型コロナ長期化に対応できるテイクアウト・デリバリー体制をつくって売上を獲得し、この危機を乗り越えていただきたい。


飲食店がコロナショックを乗り切るための緊急資金繰り対策と短・中期経営改革

株式会社船井総合研究所 フード支援部 グループマネージャー シニア経営コンサルタント 小林 耕平

中食事業の開発や飲食店・惣菜店・仕出し店・ホテル・小売店などの活性化のほか、赤字企業のV字回復に向けた即時業績アップ、外食企業の中食事業参入や外販事業部構築、不振店のテイクアウト・デリバリー専門店転換など実績多数。

船井総合研究所フードビジネス専門サイト『フードビジネス.COM』
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