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SNS集客はポスト・コロナ時代の飲食店に必須(前編)LINE・Twitter・Facebookの効果的な使い分けポイントは?

2020年07月13日

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新型コロナウイルス感染拡大の予防で外出自粛や在宅勤務が推奨される中、LINEやTwitterといったSNSの利用者が増えている。利用時間が長いSNSユーザーほど、SNSをうまく活用できている企業をポジティブに評価してファン化する傾向があるという。

飲食店のSNS運用には、広告費をかけずに集客できる、ターゲットの属性を絞り込んだ訴求で特別感を生み出せるといった効果がある。では具体的にどのように利用すればよいのだろう。企業のWebプロモーションに詳しく、SNSの運用担当者を育成する研修サービスを提供している株式会社BESによる、SNSそれぞれの特徴と具体的な事例を交えた攻略ポイントを解説する。

目次

飲食店がSNSを活用するメリット
SNSそれぞれの特徴
LINE:1対1のコミュニケーション構築でリピート予約率70%超え
Twitter:高い拡散力でブランドイメージを向上
Facebook:リアル感のあるライブ配信で共感を獲得
新しい生活様式の顧客関係性づくりに不可欠なSNS

飲食店がSNSを活用するメリット

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:Social Networking Service)とは、インターネット上の会員制コミュニティサービスで、友人・知人、共通の趣味や居住エリアの人などとオンラインで交流できる。チャットや音声通話・ビデオ通話が手軽にできるLINEや、140文字以内の短い投稿(ツイート)でニュース性、拡散性が高いTwitterなどのSNSユーザー数は年々増加している。

企業のWebプロモーション、SNSの運用担当者を育成する研修サービス【SNS SCHOOL】を提供している株式会社BESの代表取締役、田中千晶氏によると、コロナ禍の影響でSNSユーザーの消費行動には変容が起きているという。

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株式会社BES
代表取締役
田中千晶 氏

「新型コロナウイルスの感染拡大予防のために自宅で過ごすことが増えた影響で、SNSの利用は世界中で急増しています。国内では、情報収集のためにTwitterやLINEの利用頻度が高まる中で、SNSを通じて特定の企業に対する見方が変わったというユーザーも出てきました」

自社の感染拡大防止の取り組みや、顧客に向けたメッセージをSNSで発信した企業は多い。中でも、自社の本業ではないマスクや医療機器製造に新たに取り組んだり、自粛生活を楽しく過ごせるコンテンツを無償配信したりといった社会貢献やサービス姿勢を示した企業は、ユーザーから高い評価を受けて拡散されたという。

「拡散力のあるSNS上での認知拡大とファン獲得は、広告費をかけることなく集客につなげることができます。また、SNSユーザーは自分の興味や好みに近いユーザー同士でつながる傾向があるため、店舗のターゲット層に絞り込んだ効果的な訴求が可能です。それぞれのSNSには特徴があり、運用方法のポイントがあります。自店と相性の良いSNSを戦略的に活用していきましょう」

たとえばカジュアル業態で女性客など新たな客層に拡散性を持たせたいならTwitter、よりおしゃれ感を演出したい場合はInstagram、落ち着いた世代を取り込むならFacebookなど、SNSによってユーザーの年齢層や属性に傾向がある。以下、それぞれのSNSの特徴と活用事例を示す。

SNSそれぞれの特徴

 年齢層特徴ユーザー数*
LINE 全世代で利用率にほぼ差がない 1対1のコミュニケーションに強い
メルマガやチラシの代わりとして利用される
8400万人
YouTube 10・20代の利用率90%超
老若男女で利用率に差がない
動画がメイン
世界第2位の検索エンジン
6200万人
Twitter 30代前半までが50%ほど ニュース性・拡散性が高い
情報の届く範囲が広い
リツイート機能で自然なPRが可能
4500万人
Instagram 30代前半までが60%ほど 画像がメイン
ブランド(世界観)を表現できる
自店のターゲット像に近いフォロワーを増やせる
3300万人
Facebook 30代後半以降が60%ほど 原則実名登録のため信頼性がある
しっかり文章を読むユーザーが多い
ビジネスや友達のつながりに強い
2600万人

*2020年6月時点の国内月間アクティブユーザー

■LINE(ライン):1対1のコミュニケーション構築でリピート予約率70%超え

幅広い世代で利用されているLINEは年々成長を続け、今やユーザー数国内1位を独走している。LINEはメッセージ配信やタイムライン投稿といった機能があり、メルマガやチラシのような利用が可能だ。最も大きな特徴は、ユーザーと1対1でトークができるチャット機能だろう。

【LINEのチャット機能活用ポイント】

鮮度の高い情報発信で顧客関係性を維持する

ある鉄板焼きの飲食店は、顧客とのコミュニケーションにLINEを積極的に活用。LINEでの問い合わせには〇分以内に返信などの細かいマニュアルを設定している。店舗の予約の約4割がLINE経由だという。

「電話では、予約内容を聞き間違えたり、言った・言わないのトラブルになったりする可能性がありますが、LINEならトーク履歴が残ります。1度LINEで予約されたお客様は、便利さをご理解いただいているので、次の予約もLINEで行うことが多いようです」

別の飲食店の場合も、友だち登録をした顧客はフルネームを送信してもらい、顧客管理データベースの検索性を高めている。ユーザーが来店した際は必ず当日中にお礼のメッセージを送信。次回の来店までコミュニケーションを継続させてリピートにつなげているという。メッセージには必ず挨拶をいれるなどテクニックを駆使し、リピート率は70%を超えている。

■Twitter(ツイッター):高い拡散力でブランドイメージを向上

Twitterは比較的若い世代のユーザーに支持されており、世の中の関心ごとが「トレンド」として拡散される。ニュース性が高く、情報収集のツールとして活用するユーザーは多い。

「Twitterの拡散で成功した例が、讃岐うどんチェーン店『はなまるうどん』の2013年エイプリルフール企画です。当時、世界初の生きた姿が撮影され大反響を呼んでいたダイオウイカを丸ごと天ぷらにする、というネタを、あたかも本物のようなクオリティで作りこみました。トレンドを押さえたアイデアと本気の遊び心が話題となって拡散され、公式サイトへのアクセスは24倍に伸び、ブランドイメージも向上しました。

【Twitter運用のポイント】

リツイート・引用リツイート機能とリスト機能の活用

リツイートとは、自分や他ユーザーの投稿を再投稿でシェアすることで、その際に自分のコメントをつけ足してシェアするのが引用リツイートだ。ただシェアするだけでなく、引用リツイートで一言そえることで、ユーザーとのつながりが生まれる。

「SNSは、いかにつながるかがキモです。そのためには、一方的な発信ではなく、獲得したいユーザーに店舗側からリツイートやリプライ(返信)といったリアクションをしないと、交流は生まれません。

フォローしたアカウントはリスト機能でグループを分けて管理すると良いでしょう。リストのタイムラインは追加したアカウントだけ表示するので、雑多にならず確実にリツイートしたいユーザーを逃しません。自店に興味を持ちそうなアカウントや、いつも『いいね!』を押してくれるアカウントなどをリスト化して運用してみましょう」

またTwitterをはじめとする多くのSNSでは、特定のキーワードで検索しやすいようにハッシュタグ「#」をつけることができる。Twitterやfacebookでは、検索用というよりも装飾目的で目立たせたい文字につけるという感覚が近年の傾向だという。

■Facebook(フェイスブック):リアル感のあるライブ配信で共感を獲得

Facebookユーザーの年齢層は比較的高い。40~50代の、ある程度まとまったボリュームの文章もしっかり読む層へのアプローチに強い傾向にあるという。原則実名でユーザー登録するため信頼性が保たれている。手軽に投稿できることから、自社ホームページ代わりに運用している企業も多い。

田中氏がFacebookで活用をすすめるのは、ライブ配信機能だ。コロナ禍において店舗とユーザーの間にオンラインを超えたつながりを生み、ファン化を促す効果がある。 

【ライブ配信を成功させる4つのポイント】

1.リアル感を大切にする
2.ターゲットの視聴者がみる時間帯を考える
3.途中からの視聴者にもわかりやすい構成
4.ライブ配信動画は二次利用する

「ライブ配信に特別な機材は必要ありません。むしろ、クオリティ高く作りこむとヤラセっぽくなってしまうので、普段使っているスマホなどを利用してリアル感を大事にしてほしいです。また、店舗のターゲット層にあわせた配信時間を考えてください。子連れの女性客なら昼間から夕方にかけて、学生や会社員なら深夜・休日の昼間といった具合です」

緊急事態宣言下の自粛要請で、休業せざるをえなかった飲食店も多いだろう。ある日本酒バーは店内営業ができなくなった際に地酒の試飲、テイクアウト販売に踏み切り、その告知をライブ配信。その際、手描きボードを用意して今どの酒の説明をしているのか、途中からでもわかるような工夫をした。撮影はスタッフが行い、現場の様子を臨場感たっぷりに伝え、見る人が応援したくなるような配信となった。

共感をうまく集めることができるライブ配信はクラウドファンディングとも相性がよい。店長の思いを動画にのせて、目標額までのカウントダウン配信することでユーザーの応援意欲も高まる。また、配信した動画は編集してテロップやサムネイルをつけ、Youtube(ユーチューブ)などにアップして二次利用するのも有効だ。 

「YouTubeは、電車移動などのスキマ時間に流し見したり、ながら見の利用が多いSNSです。音声がない状態でも内容がわかるよう字幕をつけたりテロップを強調させたりといった工夫をすると良いでしょう。テロップやBGMをつけるような編集が簡単にできるアプリもあり、動画編集のハードルはかなり下がっています」

新しい生活様式の顧客関係性づくりに不可欠なSNS

新型コロナウイルスの影響で対面での接客に制限がある昨今、オンライン上で顧客との関係性を深めることができるSNSは、店舗のファン獲得に有効なツールといえる。どのSNSも、ただ発信するだけでなくユーザーとの交流が生まれる仕掛けがあるかどうかが重要なポイントとなる。画面の中のやりとりに見えてもその先にいるのは生身の消費者だ。鮮度の高い情報をこまめに発信し続けなければ共感は得られない。まずは短文を少しずつ、あまり苦手意識を持たずに投稿してみてはいかがだろうか。

YouTubeのさらに詳しい運用方法と、飲食業界向けの機能を強化させているInstagramの効果的な使い方については稿を改めて解説したい。

BtoBプラットフォーム受発注

株式会社BES

お話:代表取締役 田中千晶氏

2009年、大学在学中に会社を設立し、1年半で大手企業、中小企業を獲得。Webプロモーション支援を得意とし、SNS活用、Webサイトディレクションを実施。早くからソーシャル活用の取り組みを行ってきたことで蓄積されたノウハウ、Facebook本社やTwitter本社へ毎年出向いて直接仕入れてきている情報も含め、最新のネットプロモーション事情について講演会などを開催している。

公式サイト:http://snsschool.net/

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