飲食店の経営ノウハウ

採用費を1/3にした、東京レストランツファクトリーの人材戦略~少人数・オールマイティ育成で現場を回すコツ

2021年03月24日

20210324_timee_main

首都圏4都県に発令されていた緊急事態宣言は21日をもって解除された。リバウンド(感染再拡大)にそなえ、飲食店への営業時間短縮要請は段階的に緩和されるとみられている。

本格的に営業再開となる前に考えておきたいのが、人員の確保だ。コロナ禍で新規採用を減らし従業員の数を減らしてしまった店舗も多いのではないだろうか。人員不足は接客やサービスがままならず、来店客の顧客満足度減少や、次回来店の機会損失にも繋がってしまう。

今回は、「鳥幸」「ぬる燗 佐藤」「きよやす邸」などの本格和食、居酒屋業態を、首都圏や海外に57店舗(2021年1月25日現在)展開する東京レストランツファクトリー株式会社の人事部、中澤正樹 氏に舵取りが難しい採用と人件費のバランスについてお話を伺った。

飲食店はうかつに採用ができない状況が続く

【Q】現在の採用状況はいかがですか?

20210324_timee_001

東京レストランツファクトリー株式会社
人事部 部長代理 中澤正樹 氏

2020年11月の最終週からお客様の数が減少し、「外食すること自体が悪」のようなムードが広がっていました。コロナの影響で店舗は満席にできませんし、採用も前向きに検討できる状態ではありません。

 弊社は高価格帯の和食店が多く、予約でその日の売上が決まります。従業員のシフトは、予約・顧客台帳システムで管理した予約情報をもとに調整しています。

これまではスタッフがキャパオーバーしないよう、当日にいらっしゃるお客様は入店をお断りしていましたが、売上が減る中で現場は葛藤を強いられていると思います。かといって予約のないお客様のためだけに、人件費を増やすわけにもいきません。難しいところです。

これまでは採用にかなり大きなお金をかけていました。弊社の店舗は銀座や六本木など、都心の高級エリアに集中しています。近くに学校や住宅街がなく、特にアルバイトの主力となる学生が少ないので人材が集まりにくかったのです。

広告を出して面接や採用が決まっても、出社当日お店に来ない、もしくはすぐ辞めてしまうことも多々ありました。そのたびにまた高い費用をかけて求人広告を出す。その繰り返しで、採用費が膨れ上がっていました。

意外と多かった人件費のムダ

【Q】採用費を減らす工夫として、どんな取り組みをされたのですか?

まずは短期アルバイトの紹介、マッチングサービス「Timee(タイミー)」を活用しました。これが非常に良かったですね。基本的にタイミー経由のアルバイトは単発の契約で終了ですが、店側が採用することもできます。

一度働いてくれているのでミスマッチがなく、都心の店舗の採用はほぼタイミー経由でまかなえるようになりました。採用費も三分の一まで削減できました。

また弊社は高級店が多いのもあって、やはり社員の力が必要です。料理の腕や高度な接客サービスはマニュアル化できませんが、属人化した仕事が多ければそれだけ社員の数が増え、利益を圧迫してしまいます。そのため、ここ数年は「オールマイティな人材育成」に取り組んでいます。

どういうことかというと、料理長を採用するにしても、キッチンしかやらないという人は採用しません。キッチンだけ、接客だけではなく、料理も接客も会計もするし、ドリンクも作れるというオールマイティな人材を育てているのです。

【Q】オールマイティな人材を育てることで、人件費が削減できるのでしょうか。

今回のコロナ禍のように短期間で急激に売上が下がったときには、社員の人件費をはじめとする固定費が利益を圧迫するのです。しかし、何でもある程度こなせる人材が揃っていれば、今まで5人必要だった現場が4人や3人でも回せます。

コロナ禍では一部店舗を思い切って休業しましたが、余った人材は繁忙店へ異動してもらい、新規採用をせずに乗り切りました。

重要なのは1人あたりの仕事を増やすのではなく、しっかり給与で還元する仕組みを作ることです。当社では飲食店でありがちな、長時間労働やサービス残業は一切禁止しています。マニュアルに縛られないオールマイティな社員を育て、少ない人数でも回せるようにする一方、1人あたりの給与は上げる。これで結果的に人件費が減ったのです。

マニュアル化できない接客術こそ、人材育成のカギ

【Q】ほかには、どのような採用の工夫をされていますか?

究極的には、経営理念に共感した人材が自然と集まるのが望ましいですね。紹介で人材が集まるような、採用費ゼロの会社が理想です。

そのためには企業理念をしっかり伝えることですね。社員には当社のミッション=「日本のファンをつくる」をしっかり理解してもらうよう努めています。

研修ではパワーポイントで作成した分かりやすい資料を使って企業理念を説明し、おもてなしの心を大切にするなどの方針を伝えます。日本のファンを作るために、飲食でおもてなしをするんだという思いですね。

その心が根幹にあれば、細かな接客マニュアルはいりませんし、お客様の多様なニーズに応えることもできると思います。コロナ禍で厳しい状況ですが、企業理念を体現してくれるオールマイティな人材を育てることが、結果的にコスト削減と成長につながると信じています。

BtoBプラットフォーム受発注

東京レストランツファクトリー株式会社

主な業務内容:飲食店の経営、レストランプロデュース
住所:東京都目黒区大橋2-22-7 村田ビル2F
公式ウェブサイト:http://www.tokyo-rf.com/


会社名:株式会社タイミー
主な業務内容:アプリケーションの企画・開発・運営
住所:東京都豊島区東池袋1-18-1 Hareza Tower 27階
公式URL:https://timee.co.jp/

飲食店の経営ノウハウ バックナンバー

おすすめ記事

関連タグ





業務用食品、衛生関連資材の購入は、BtoBプラットフォーム商談 eSmartで!会員登録無料・今なら3500ポイントプレゼント!

メルマガ登録はこちら
フーズチャネルタイムズ 無料購読はこちら