すぐれモノ!

東京の地産地消ブランド “東京野菜”の挑戦~東京野菜(大治)

2014年10月14日

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“地産地消”と聞くと、まずは地方の産地での取り組みをイメージするが、いま日本最大の消費地・東京でも、ある取り組みが話題になっている。東京・大田市場に本社を置く青果卸、株式会社大治が手掛ける“東京野菜”だ。

東京野菜を一言で説明すると、東京でとれた野菜を東京で消費する、といういたってシンプルなもの。しかしそこには、“東京産ならでは”のすぐれた特徴がたくさん隠されていた。今回は仕掛け人である大治の本多諭社長に、パートナーである生産者との出会いから、商品の内容、今後の展望までをうかがった。

東京産という意外性と圧倒的な鮮度

東京の農業というと多摩地区が有名だが、23区内も意外と農地は多い。実際に葛飾区、江戸川区、足立区、北区、世田谷区、大田区、目黒区、杉並区、中野区、練馬区、板橋区の11区に農地があり、耕地面積は655haにもおよぶ。中でも練馬区は都内全体でみても、3番目の農地面積を誇っている。

東京野菜は、この練馬区の1軒の農家と本多社長が出会うところからスタートする。

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東京野菜の仕掛け人、大治の本多社長

「そもそもの始まりは13年ほど前のことです。“東京の人に東京の野菜を食べてもらいたい”という単純な思いで、練馬区の共同直売所を訪問して、『市場の人間と手を組んでみませんか』と農家の皆さんに声をかけたのです。一緒にやってくれる人が見つからないだろうか、と思いまして。そのうち1軒の農家さんが“面白そうだ”とメールをくれて、取り組みが始まりました」

“都内でとれた野菜”という特徴を活かすには、とにかく新鮮さをアピールするのが一番だ。そこで大治では早朝から車を出して、契約農家の畑までその日収穫した野菜を受け取りに行った。そしてそのまま、あるいは一旦大田市場に持ち帰った後、すぐにスーパーなどに配達することにしたのである。朝収穫した野菜が午後には店頭に並ぶ、というスピードだ。その圧倒的な鮮度や東京産という意外性もあり、取引先からの評判は高かった。

“約束を守る”ことで生まれた農家との絆

引き合いが強くなれば、当然、契約農家を増やすことは重要な課題となる。しかし、本多社長は特に仕掛けを急がず、とにかく地道に取り組みを継続することにした。そうこうしているうちに、最初は“様子見”だった周辺の農家にも変化があらわれはじめる。

「練馬の農家の皆さんと一緒に飲んでいると、『“味来(ミライ)”っていう品種のトウモロコシを作ってみるが、買ってくれる?』とか『ウチもやってみるかな』という具合に参加してくれる農家さんが一人、また一人と増えていったのです」

そして、日々の地道な活動とは別に、大治が生産者の信頼を集めたもう1つの大きな理由がある。生産者に対するスタンスが一般の市場とは異なっていたのだ。

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