すぐれモノ!

東京の地産地消ブランド “東京野菜”の挑戦~東京野菜(大治)

2014年10月14日

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農家さんとの絆が何より大事

市場には全国から大量の青果物が届き、多くの場合、生産者の“顔”は見えてこない。たとえ農家が元を取れる“再生産可能価格”を下回る価格で取引したとしても、仲介業者に特別な思いは生じにくい。だが東京野菜の場合、本多社長は生産者一人ひとりの顔を知り、努力を知っている。いわゆる“情が入る”わけだ。

「だから農家さんたちの利益にならないような安い価格で買い取ることができないんです。もちろん商売ですからそのあたりの難しさはありますが、やはり目の前の農家に損をさせてはいけない、という気持ちが強く働きます」

そのうち農家の間では、「大治は一度決めた価格はきちんと守ってくれる」という話が広がっていった。そして、大治に出荷すること、自分の手がけた野菜が「東京野菜」として店頭に並ぶことが、農家にとってステータスになっていった。

気候が生み出す、もう1つの“東京ならでは”

こうして契約農家や取扱商品が増えるにしたがって、本多社長はあらためて東京野菜のある“強み”に気づく。

「23区から調布、三鷹などの地域は、幅広い野菜の生産が可能です。東京都は面積こそ狭いですが、海も含めた“エリア”で捉えると非常に幅が広く、2000メートルを超える山もあれば、小笠原のような沖縄に近い気候も含まれます。この幅広さが東京都の隠れた魅力です」

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「練馬野菜カレー」のパッケージ

さらに、大治では、青果以外のジャンルでも東京野菜というブランドの付加価値づくりに挑戦している。練馬区でつくった野菜の中から規格外のものを利用したレトルトの「練馬野菜カレー」、同様の「調布野菜カレー」といった加工品も開発したのだ。パッケージには自慢の野菜を手に、誇らしげに笑う生産者の姿。地産地消の「東京野菜」を象徴する素晴らしいパッケージ写真だ。

また、2014年9月には、大治を退職した社員が東京野菜のコンセプトを受け継いだ、都内初のワイナリーをオープンさせている。年内には、近くの飲食店で東京産のワインが楽しめるようになる見通しだ。

環境に優しいエコ野菜としての価値づくりも

このように形態や業態を越えてますます広がろうとしている東京野菜。本多社長はさらにその先を見据え、フードマイレージについても思いを語ってくれた。

「地産地消のシステムは輸送距離が短いため、輸送時のCo2排出が格段に少なくて済みます。例えば都内で収穫したイチゴは、九州のイチゴを東京に運ぶのに比べて、Co2排出量が44分の1で済むという試算もあるほど。こうした点に着目し、地産地消の『東京野菜』は環境に優しいエコ野菜というアピールもしていきます」

新鮮で、種類が豊富で、エコにもつながる――。東京野菜の挑戦にこれからも目が離せない。

株式会社大治

住所:〒143-0001 東京都大田区東海3-2-6 東京都中央卸売市場 大田市場内
電話:03-5492-3185
事業内容:青果物仲卸業(野菜・果物・その他関連商品の販売)
公式HP:http://www.daiharu.co.jp/
お話:代表取締役社長 本多諭様

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