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食品メーカーの異物混入対策。HACCPだけでは安心できない、工場の現実と課題

白田 茜(フリーランス記者)  2015年09月30日

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「異物混入対策は、人(Man)、建屋、設備、装置(Machine)、製造(Method)、原料、包材(Material)の“4つのM(図1)”がポイントです。

1つ目の「Man」は社員教育です。トイレに行ったら手を洗うなどの一般的衛生管理を徹底すること。これは異物混入だけでなく食品の品質を保つためにも必要不可欠です。新たな対策を講じるより、既存のルールを改めて周知・徹底することが重要です。

2つ目の「Machine」は設備投資の問題です。機器のリニューアルではなく、機器を十分にメンテナンスすること。X線異物検出器や金属探知機などは、あくまで異物の流出防止策にすぎません。生産ラインが老朽化していればネジなどが入ってしまう可能性もあります。異物混入を予防するためには、製造ラインの定期点検や修理を行うことが必要です。

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3つ目の「Method」は衛生管理です。一般的衛生管理プログラム(図2)の10項目ある手順を運用し社内でルールを明確にします。一般的衛生管理がきちんと行われているか振り返り、PDCAサイクルで改善していく。“やっているはず”ではなくチェックする。できていないのなら、Plan(計画)に問題があるのか、Do(実行)に問題があるのかを見極めてアクションを考えます。

4つ目の「Material」は原料、包装資材です。コストダウンのために、より安価なものを購入する場合にはリスクもあるということを考えておくことが必要です。包材を変更する際には、破損片が発生しないかなどアセスメント(評価)をしっかり行うべきです」

中小企業の異物混入対策として、HACCPの導入やISO22000の認証取得とともに、“4つのM”への取り組みが重要となる。すでに定められている衛生管理や機器メンテナンスなどのルールを順守することで、異物混入の可能性を低くすることができる。「すでに行っている」ではなく、改めて社員へのルールの周知徹底や、普段から社内のコミュニケーションを図っておくことも大事だろう。

執筆者プロフィール

白田 茜(フリーランス記者) 

1978年佐賀県生まれ。 佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。
食品コンサルタント会社を経て、専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をした後、現在は小売や食品関連の記事を書いている。
関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション、マーケティング。

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