食の研究所

高血圧に血糖値上昇、メタボ要素を抑える酢の力~調味料の名脇役「お酢」の歴史と科学(後篇)

漆原 次郎(フリーランス記者)  2017年06月27日

同社は、ご飯(白米)とともに食酢約15ミリリットルを摂ったときの食後血糖値の変化を調べた。すると、血糖値の上昇は、食酢を摂らない対照群の人より緩やかになったという。

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食酢の摂取と血糖値の変化(ミツカン「食後の血糖値上昇を緩やかに」掲載グラフをもとに作成)

食酢がどのように作用するのか。高橋氏は「血糖値が急に上がると、それを抑えるインスリンも一気に出て、血糖値は急激に上下します。一方、食酢には、ご飯が胃から吸収器官である小腸に移行するのをゆっくりにさせる作用があり、それにより血糖値の上昇がゆっくりとなり、血糖値の変化が緩やかになるのだと考えられています」と説明する。

研究では、ご飯と食酢入りのドリンクを同時摂取した場合と、ご飯とワカメの酢の物を同時摂取した場合とで、ほぼ同様に血糖値の上昇が緩やかになったという。「飲んでいただいても、食べていただいても同様の効果が得られます」。

内蔵脂肪、体重、腹囲、BMIも減少

さらに同社は、食酢が肥満気味の人の内臓脂肪を減少させることも明らかにしている。肥満度の指標であるボディ・マス・インデックス(BMI)が25以上30未満の実験協力者に1日15ミリリットルの食酢の摂取を12週間、続けてもらったところ、摂取しなかった群より内臓脂肪の有意な減少が見られたという。合わせて、摂取期間中に限ってだが、体重、腹囲、それにBMIでも減少が見られた。

「内臓脂肪を減らす仕組みもある程度分かっています」と高橋氏は話す。「糖が脂肪に変わるのを抑える効果と、脂肪の燃焼を促進する効果の2つがあるのではないかと考えられます」。

人の体は脂肪を貯めこみやすい。だが、食酢には、摂取した糖を脂肪として貯めこむのを抑えたり、逆に貯めこんだ脂肪を燃焼させる効果があると考えられるということだ。

だとすると、どのように脂肪の燃焼を促進するのか。

執筆者プロフィール

漆原 次郎(フリーランス記者) 

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。

<記事提供:食の研究所
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