ヒット商品の舞台裏

年間売上20億円のカニカマが目指す、ホンモノ超えの商品開発~香り箱(スギヨ)

2018年09月07日

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世界初、カニのほぐし身”風”
かまぼこ「かにあし」

「世界初のカニのほぐし身風のかまぼことして商品化したところ、大評判となりました。築地市場に運ばれた『かにあし』を、待ちきれない荷受の人たちが、我先にとトラックから運び出していたほどでした。

当時もカニは高級品で、代替品として安く使えるカニカマは画期的な発明だったのです。その後、他社からもスティック状のカニカマなどが次々に発売されました。

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ただ、弊社も含め当時のカニカマはどれも、かまぼこの域を出ず、カニの食感とは似て非なるものでした。そこで、もっとカニの風味や食感に近いカニカマを目指し、研究開発を重ねていったのです」

かにあしの発売から18年後の1990年、繊維を縦に並べる従来の製法ではなく、実際のカニ脚の繊維の形状により近い、葉脈のような形で交互に並べて束ねた「ロイヤルカリブ」が製品化される。見た目はぐっとカニらしくなった。

「ロイヤルカリブは消費者からも専門家からも高い評価を得ました。それでも弊社の研究員は、さらにカニに近づけようと開発を続けました。他製品との差別化をはかるためにも、もはや新製品の開発は、“どれだけカニに近づけるか”よりも一歩進んだ“本物を超えたもの”を作る、これが命題となりました」

技能と技術を高めて開発に挑む

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繊維の1本から”カニらしさ”とはなにかを
問い直した「香り箱」

本社のある能登半島を含む北陸地方は、昔からズワイガニの特産地として知られている。雌のズワイガニはこうばこガニと呼ばれ、サイズは雄より小さいながら濃厚で甘みのある味が特徴だ。

開発プロジェクトは、このこうばこガニのカニ身の分析から始まる。本物の食感、香りや旨みの成分、繊維の形状などを細かく分析機器にかけてデータ化し、ロイヤルカリブの製造方法や工程に精密にはめ込んでいった。

「カニという天然素材は個体差が大きく、旬の時期や脱皮直後といった条件でも成分が大きくぶれます。均一なデータをとるのは大変でしたが、分析の結果、カニの繊維は1本わずか約0.6ミリという細さでありながら、ジューシーでぷりぷりとした食感を持っていることがわかりました。この食感を魚肉すり身でいかに作り出すかがポイントだったのです」

こうした理化学的な分析による商品開発は、かつてない手法だったという。それまでは、板前やシェフ出身の職人気質な技能集団が、経験に基づく勘やコツで開発を担っていた。


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