ヒット商品の舞台裏

派手な見た目と洋風の味。鯖ブームを牽引するおしゃれ缶詰~サヴァ缶・岩手県産株式会社

2019年02月01日

20190123cavakan_main

ここ近年、何かと話題の鯖の缶詰。注目が集まりはじめたのは2013年ごろ。生産量を徐々に増やし続け、2016年には長年水産缶詰のトップの座にあったツナ缶を追い抜いた。空前のブームの立役者となったのが『Ca va?(サヴァ)缶』だ。
※Cの下にフランス語の発音記号がつく。以下サヴァ缶と表記。

大手水産加工食品メーカーがシェアのほとんどを占める鯖缶市場に、岩手県の中小企業の共同プロジェクトが新たな風を起こした。販売を担う岩手県産株式会社の参与、佐藤則道氏は「缶詰業界の常識を地方から変えた商品」だと語る。

「売れるわけない」営業からブーイングの問題作

20190123cavakan_1

“サヴァ?”はフランス語で“元気?”の意味

サヴァ缶は第1弾「 国産さばのオリーブオイル漬け」が2013年9月に発売されて以来、売上累計は2018年3月に300万缶、2019年1月時点では500万缶を突破。近年は、テレビなどのメディアがブームを取り上げた影響も大きく、需要に製造が追いつかない状態だという。

従来の鯖缶のイメージを覆す、鮮やかな黄色にスタイリッシュなロゴが目をひくパッケージ。インパクトのある「洋風おしゃれ鯖缶」は、東日本大震災で 大きな打撃を受けた三陸の水産業や食の復興支援プロジェクトとして企画された。

商品企画は被災地の食品産業の復興支援を目的とする一般社団法人「東の食の会」のコンセプトに基づく。原料になる鯖は東日本近海で安定した漁獲量があるものの、これまでの鯖の缶詰の平均小売価格は100~200円程度。製造コストを考えると、大量生産しなければ大きな収益にはならなかった。

20190123cavakan_2

岩手県産株式会社 参与
佐藤則道氏

「いいものを作っても安く扱われる缶詰に、『東の食の会』 は疑問をもっていたそうです。生産者や流通がしっかり利益を得られ、消費者も満足感が得られる商品を作らなければと考えたのです。

海外では、缶詰を開けただけでも一品メニューとして、バルなどで楽しまれています。味噌煮や水煮といった和風の味付けしかない鯖缶を、オイルサーディンのような洋風の味付けにすれば、他社との差別化も図れ、対価に見合う付加価値になるのではと、たどりついたのがサヴァ缶です」

震災で壊滅的な被害を受けていた三陸地域の工場の中、かろうじて稼動が可能だった岩手缶詰に製造の白羽の矢が立つ。県産品の卸販売を行う岩手県産には販売の依頼がきた。ところが、その条件は最低ロットが1200ケース、売価にすると2,000万円弱を引き受けてほしいというものだった。


メニュー管理

ヒット商品の舞台裏 バックナンバー

おすすめ記事

関連タグ

やりとりも作成もラクになるシフト管理サービス Airシフト
クレディセゾンの支払代行サービス