ヒット商品の舞台裏

派手な見た目と洋風の味。鯖ブームを牽引するおしゃれ缶詰~サヴァ缶・岩手県産株式会社

2019年02月01日

「弊社は缶詰の取扱いは少ししかありません。提案にいらした東の食の会さんと岩手缶詰さんを前に、弊社の社長、営業部長と当時総務部長だった私、誰も即断できませんでした。そんな負担をして売れるのかと、部屋がシーンとなりました。

しかし、我々は岩手の特産品の拡販を目的に設立した第三セクターです。東北の復興を自分たちがやらなかったら、会社が存在している意味 がありません。頭の中から『何してるんだ、早くやれ』という声が聞こえてきました。もし在庫を抱えることになっても責任をもって、商品を背負って売り歩こう、これはもうやるしかない、やろう、と決めました」

引き受ける決断をしたものの社内では猛反発が起こった 。特に営業部門は「こんな高い缶詰、誰が買うんですか。売れるわけない」と全否定。当時の希望小売価格が消費税抜で360円、通常の鯖缶3倍だったのだ。今までにない鯖缶はきっと目をひくという確信はあったものの、価格が小売店や消費者に受け入れられるかどうかはわからなかった。

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ちょうど女性がサバサンドに
注目し始めた時期だった

「売れる売れないは結果論だ、とにかくやろう」と、取引がある全国の卸企業や小売企業に売り込んだが、当初は、やはり単価の高さがネックになったという。

さらに、スーパーなどは棚割が決まっているため、新商品は大きな売場を確保できなかった。だが、商談会や展示会に出展し地道に営業を続けるうち、 スーパー以外でも、サヴァ缶が並びはじめる。

「見た目はかわいいのに鯖缶という意外性も受け、パン屋さんや雑貨屋さん、セレクトショップといった、思いもよらないところにお取り扱いいただくようになったんです。

おしゃれな雑貨に混ざってサヴァ缶がポンポンと置かれ、女性のお客様に注目していただけました。部屋で出しっぱなしでも浮かないし、パスタやアヒージョなどいろんなアレンジが簡単にできると好評を得たのです」

社会的にも鯖の栄養価の高さが見直され、またトルコ料理のサバサンドなど、洋風の味付けが注目されはじめていた。販売から1年経つ頃には、女性誌やライフスタイル誌などにも少しずつ取り上げられるようになり、サヴァ缶は安定した売れ行きをみせるようになった。

第2弾の開発に2年半。気持ちが折れかける開発担当者

次に目指したのはラインナップの拡充だった。第1弾は元気が出る、原色のイエローのパッケージ。第2弾でも原色のグリーンとレッドで展開する構想だった。グリーンは女性にも人気の高いバジルで作ろうと方向性は決まったが、これがうまくいかない。

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開発からリリースまで2年半を要したレモンバジル味

「サヴァ缶の一番のこだわりは、とにかく魚の臭みを感じさせないことです。第1弾のオリーブオイル漬けは、比較的うまくいきましたが、バジルはまったく納得いく味に仕上がりませんでした。バジルソースだけでは鯖のにおいが残ってしまうし、加熱したバジルは変色して見た目も悪くなってしまうのです。

試作を幾度となく繰り返し、すっかり行き詰まってしまいました。開発担当者も心が折れそうになるほどで、もうバジルは諦めるか、グリーン自体やめようかという話を何度もしました。もうダメなんじゃないかなと思ったころ、レモン果汁を加えたらさっぱりするんじゃないかという意見が出て、それで光が見えたのです」


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