海外食生活レポート

シンガポールのお祭り・祝日とそれにまつわる食べ物

加藤ゆき  2015年05月19日

シンガポールには、人口の約80%を占める中華系のほか、マレー系、インド系などの民族が暮らしています。そんな多民族国家のシンガポールでは、たくさんの宗教、そしてそれにちなんだ行事もたくさんあります。

例えば、新暦のお正月、中華系の正月の春節、イスラム教徒であるマレー系の断食月明けの祝祭ハリラヤ・プアサ、インド系の祝祭ディパバリ(ディワーリー)、とお正月のような祝祭日だけを数えても1年に4回もあります。

今回は、最も盛大に祝われる中華系の正月と、日本人にはなじみの薄いマレー系の祝祭に関連する食べ物について紹介したいと思います。

シンガポールの中華系独自の正月料理「魚生」

中華系の正月(春節)は、月の満ち欠けを基準にした太陰暦に基づくため、年によって日付が異なります。特に大晦日とその翌日は、デパートやスーパーマーケット、レストランの多くが珍しく休業になり、街中が静かになります。企業も大晦日は半日休暇にするところが多く、その理由は豪華な食事で家族一緒に過ごすためです。

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新年に欠かせないメニュー「魚生(ユーシェン)」

中華系の人たちにとって、新年のテーブルに欠かせないメインディッシュと言えば「魚生(ユーシェン)」、通称「ローヘイ」です。

「魚生」は、簡単に言うと、刺身入りのサラダです。ダイコン、キュウリなどの野菜、白身魚またはサーモンの刺身、ナッツ、炒ったゴマ、揚げた餃子の皮などの多彩な具が大皿に盛られ、とてもカラフルで縁起のよいとされる食べ物です。

食べる前には、甘酸っぱいドレッシングをかけ、家族や親しい友人、会社の同僚などと円卓を囲み、山盛りのサラダを縁起のいい言葉や願い事を言いながら一斉に箸で具材をできるだけ高く持ち上げ、笑顔で混ぜて食べるのが風習です。

旧正月から15日間、中華系のレストランではあちらこちらでローヘイを行っている光景が見られます。面白いことに、魚生はマレーシアとシンガポールで発達した食文化であり、中国本土では存在しないようです。

イスラム教徒の断食の味方「デーツ」

一方でイスラム教徒であるマレー系最大の祭日は、ハリラヤ・プアサと呼ばれる、1ヶ月に及ぶ長いラマダン(断食月)明けを祝うものです。こちらもまた、ヒジュラ暦という太陰暦が使われるため、毎年日にちが変わります。

断食月が始まる頃からスーパーでよく見かけるようになる食べ物があります。それが「デーツ(ナツメヤシ)」です。

執筆者プロフィール

加藤ゆき 

2009年まで日本・秋田県の国際教養大学に在籍し、アメリカを中心にカナダ、メキシコなどの北米地域の文化・経済・政治などについて学ぶ。
大学卒業後の一年間は、日系企業に勤務するも、海外で活躍の場を広げたいと、2010年より今後の経済発展の可能性を感じたシンガポールへ渡航。2013年からは、オザックス株式会社にて経理・総務・営業事務など、幅広い業務を担当している。
また、2014年度中にシンガポール人と結婚し、シンガポールに永住予定。今後は日本人の視点から、シンガポール独自の食事情や文化について紹介する。

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