世界でたたかう外食企業

バンコクの人気店の料理長が語る、和食・食材ビジネスの課題(The Westin Grande Sukhumvit, Bangkok)

2015年12月22日

タイ・バンコク中心部に位置する「ザ・ウェスティン・グランデ・スクンビットホテル」で、日本料理店「吉左右(KISSO)」を運営するThe Westin Grande Sukhumvit, Bangkok様。「吉左右」料理長を務める米川心祐氏は、複数の選択肢を設定することで顧客に喜んでもらえる運営を心掛けていると言います。激化するタイの和食・食材ビジネスの課題と、取引業者を選定する際のポイントについてお話しいただきました。

KISSO料理長・米川心祐氏

アセアンでの和食ビジネス経験が長い米川心祐氏は、店舗と業者のスムーズなやり取りもビジネスの大きな要因だと語る

【Q】「吉左右」の客層を教えてください

平日のランチタイムは、企業駐在員の妻である日本人主婦のお客様が67割、タイ人のお客様が3割で、つねに満席に近い状態です。夜は日本人とタイ人が半々ぐらい。企業駐在員の接待需要も高く、個室から満席になっていきます。

【Q】タイの最近の和食・食材ビジネスの変遷をお聞かせください

タイ人でも日本人と同じような和食の楽しみ方をする人々が増え、それに伴って日本料理店、さらに食材業者も増えています。

食材業者の数は、私が料理長に着任した3、4年前と比べると2倍ほど、日本産酒類の輸入兼卸業者も2.5倍ほどになっているのではないでしょうか。鮮魚で言うと日本産のものはニーズが高く、業者の数はもちろん、空輸の回数も増えています。ビールはタイブランドからタイや周辺国産の日本ブランド、外国ブランドなどを取り扱う業者も多いです。

店舗側としては選択肢が潤沢にある状態ですから、取引業者はその中から精査して採用する状況になっています。

【Q】現在の和食・食材ビジネスで気になる点は

まずタイ人のお客様の和食に対する知識が、以前と比べものにならないほど増えて厚くなっている、という変化があります。

以前は魚は何でも「サカナ」と呼ぶ程度でしたが、近頃ではギンダラや太刀魚といった固有名詞を覚えて、それがどういう味かまで記憶している。これは業者側からすると、売り込みの際に魚を特定して会話する必要が出てきていると言えます。また自分たちの知識を研磨し、今までより多くの選択肢を用意しなければなりません。

そうした変化の一方で、業者側のビジネスに対する意識の向上は、日系・タイ系にかかわらず時間がかかっている印象を受けます。日本人的な対応や気遣いを期待して、多少価格が高くとも日系業者から購入し、ふたを開けてみると日本人に普通に期待するレベルに達しないサービスだったりすることがある。地場系業者では、搬入の際に重量のある魚を上に乗せて身をつぶしてしまったりということもままあります。「食材を丁寧に扱うことも和食のひとつ」ということを失念してしまうのでしょう。

こうして見ていると、結局は「人の管理」がスムーズなビジネスのための重要なポイントだと言えます。

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