法令対策

改正景品表示法の「課徴金制度」が4月に開始(後編)-専門家に聞いた、外食企業が取るべき対策

白田 茜(フリーランス記者)  2016年02月24日

今後、外食事業者に求められる対応

それでは、課徴金制度によって実際に外食事業者にどのような影響があり、今後どのような対応が求められるのか。元農林水産省の食品表示Gメンで、現在、公益財団法人「食の安全・安心財団」理事・事務局長の、中村啓一氏にお話を伺った。

—まず、景品表示法が改正され、外食事業者の表示への取り組みは進んでいるのでしょうか。

公益財団法人食の安全安心財団
事務局長。中村 啓一氏

メニュー誤表示が社会問題になって以降、各事業者の内部で改革が進んでいるようです。特に品質管理部門の社内的な発言力が高まってきている、と聞いています。また、メニュー誤表示問題があった後、かなりの外食事業者が、自社のメニューなどで使っている用語を全部リストアップし、再度見直すという作業を行っているようです。

—実際に疑問点がある場合に、外食事業者が相談する窓口はどちらになるのでしょうか。

表示に関する相談は、消費者庁が行っています。あとは農林水産省にも“食品表示110番”があり、食品表示に関する色々な相談に応じています。そして我々“食の安全・安心財団”も、2015年の4月から「JFメニュー表示相談センター」の対応のお手伝いをしています。センターには年間で約130件の相談がきていますが、少しずつ質問の内容が変わってきていると感じます。

—質問の内容はどのように変化してきましたか。できれば質問内容について教えてください。

相談窓口の開設当初は、メニュー表示の“特大”“特上”など、外食でよく使用されている表示についての質問が多かったのです。しかし最近では、もっと微妙な表現についての質問がくるようになりました。

例えば、タイ料理で“ガパオライス”というメニューがあります。タイでは材料に“ホーリーバジル”を使用していますが、日本ではなかなか手に入らないので、“スイートバジル”を使用してもよいか?という内容です。

このような場合、法律に触れるかどうかではなく、『お客様にきちんと説明できるか』ということを考えるべきだ、とお答えしています。具体的にはメニューの説明の中に『スイートバジルを使用しています』など、補完的な説明を入れる必要があるでしょう。

—2016年4月から課徴金制度が始まります。外食事業者が特に気をつけるべきことはありますか。

コース料理やバイキングなどについては、注意が必要です。例えば、バイキングの中の1つのメニューのビーフに『国産ビーフステーキ』と表示していたが、『実は欧州産だった』というケースでは、ビーフステーキの単品メニューが課徴金の売上対象になります。ところが、バイキング全体が『国産ビーフ祭り』などの謳い文句で顧客を誘引したということであれば、バイキング全体の売上が対象になるのです。

編集部補足:このケースに当てはめると、旅行のツアーなどで北海道2泊3日、“国産タラバガニ食べ放題”など表示していた場合も、ツアーパック全体が売上になる可能性があるという。大規模なフェアや、旅行事業者と組んでツアーを企画する場合などは、これまで以上に“どういう表現を使って”宣伝をするのか、正確にチェックする必要がありそうだ。

執筆者プロフィール

白田 茜(フリーランス記者) 

1978年佐賀県生まれ。 佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。
食品コンサルタント会社を経て、専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をした後、現在は小売や食品関連の記事を書いている。
関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション、マーケティング。

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