業界動向

外食でのアルコール離れに変化?「ちょい飲み」需要が増加中

2014年09月29日

外食市場における消費者のアルコール離れが進み、居酒屋業態は顧客獲得に苦戦を強いられている。居酒屋大手のワタミが赤字に転落し60店を閉店するに至った原因として、同社創業者の渡邉氏も「習慣的にお酒を飲む人の減少」と挙げているほどだ。その一方、居酒屋だけでなくファミリーレストランなどで、店舗滞在時間が60分以内の飲酒を伴う外食機会を指す「ちょい飲み」の需要が高まっているという。今回は、消費者動向を調査分析するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、代表取締役社長 松野智吏)が発表したデータをもとに、外食・アルコール市場と新しい消費者像について考察する。

減少傾向にある居酒屋業態の食機会数

外食グラフ

図表1)2013年 外食市場業態別食機会数の伸び率(2009年比、食機会ベース)
出典:エヌピーディー・ジャパン(株) JapanCREST®より

2013 年における外食市場での食機会数(※)の伸び率(2009 年比)は、外食全体で2.1%増と、増加傾向にあることが読み取れる。とくにファミレス業態は7.9%増と好調だ。しかし、居酒屋業態は11.2%減と大きく減少している。外食時にアルコールを飲む食機会数に絞ってみると、全体で10.1%減。居酒屋業態は13.3%減と、消費者が居酒屋業態で飲む機会が減少していることを表している。

※食機会数:外食・中食(朝/昼/夕/間食)を利用した延べ回数のこと。

14時~17時台における「ちょい飲み」需要の増加

外食グラフ02

図表2)2013年 外食・アルコールが飲まれる機会の滞在時間・時間帯別食機会数の伸び率(2009年比、食機会ベース)
出典:エヌピーディー・ジャパン(株) JapanCREST®より

外食で、消費者がアルコールを飲む食機会数を時間帯と滞在時間で絞ってみると、新たな変化がみえてきた。全時間帯における外食アルコール食機会数が減っている一方、14時~17 時台が09年比1.1%増と、わずかに増加しているのだ。

さらに、滞在時間 60 分以下の「ちょい飲み」の場合、14時~17時台は1.4%増とその傾向がより強くなっていることが分かる。外食全体で飲酒を伴う食機会が減少するなか、「14時~17 時台」の「ちょい飲み」需要の伸びが見て取れる。

「ちょい飲み」派のスタイルは「一人で」「配偶者・恋人と」、居酒屋以外でも

「ちょい飲み」する人はいったいどんな人か?どのようなシーンで、どこで「ちょい飲み」するのか。グループタイプで見てみると、「1人で」のシェアが最も大きく「配偶者・恋人と」が続いた。14時~17時台の「ちょい飲み」では、「配偶者・恋人と」が最も多くなっている。

「ちょい飲み」する業態を見ると、最も割合が大きいのが和風居酒屋で18.3%。ラーメン・餃子店、洋風ファミリーレストラン、中華料理店が続いた。割合は大きくはないが、洋風ファミリーレストランや回転寿司店など、これまでお酒を飲む場所というイメージがなかった場所で「ちょい飲み」をする層もいるようだ。

消費者のニーズの変化

このようなデータをもとに、なぜ14時~17時台の「ちょい飲み」が伸びているかを探ってみると、2つの要因が浮かび上がってきた。

まず、店舗側の戦略。バーガー系ファストフードなどは、通常メニューにプラスしてアルコールメニューを強化することで客単価UPを狙う。居酒屋業態は夕方前の早めの時間帯に客を取り込んで回転率をUPさせようというものだ。

そして、消費者側のニーズの変化。「夜の居酒屋で飲むよりもコストパフォーマンスが高い」、「夕方以降の混雑を避けたい」、「わざわざ飲みに行くというよりも、外出のついでに軽く飲む」など、気軽に少し飲みたいという傾向にあることが推測される。とくに、ファミリーレストランは一人でも入りやすく、また分煙でクリーンなイメージがあり、入りやすい印象があるようだ。

外食でお酒を飲む機会が減少傾向にあることはデータが示す通りだが、その飲み方も変わりつつあることに目を向ければ、まだまだ活路は見出せそうだ。「14時~17 時台」「滞在時間60分以下」、そして「一人で」または「配偶者・恋人と」の利用者に向けたメニュー戦略が、一つのキーとなるのではないだろうか。

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