食の研究所

50年間でこれだけ増えた30代男性の必要エネルギー~「日本人の食事摂取基準」、5年ぶりの改定

漆原 次郎(フリーランス記者)  2020年04月30日

タンパク質については、所要量・推奨量の増減は少し見られるものの、比較的安定的に推移しているといえそうだ。2019年度までと2020年度では、男性の1日あたり推奨量が5g増えた。これは、牛乳なら180mL、卵なら1個分弱、ロースハムなら2枚分ほどに相当する。

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1日あたりタンパク質所要量・推奨量の推移。2004年度までは所要量。2005年度以降は推奨量(97〜98%の人が1日の必要量を満たすと推定される量)。

脂質については、「脂肪エネルギー比率」が代表的な値のひとつとして示されている。これは、総エネルギー摂取量に占める脂質由来のエネルギー割合のこと。食事で摂り込むエネルギーの何%を、脂肪で摂り込むとよいかを指すものだ。こちらも、数値が大きくは変わることなく推移している。

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1日あたり脂肪エネルギー比率所要量・目標量の推移。上下の線に挟まれた範囲が推奨された量。2004年度までは所要量。2005年度以降は目標量(生活習慣病の1次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量の範囲)。

不足はカルシウムなど、過剰は脂質、そして・・・

このような摂取の目安となるさまざまな値がある一方、現実の食生活では摂取量の超過や不足も起きるものだ。報告書からは、その傾向もうかがえる。

不足がちな栄養素の代表格はカルシウムだ。30歳台での1日あたりの推定平均必要量は、男性600g、女性550gとなっている。牛乳ではコップ(200g)3杯弱、ヨーグルトではパック(100g)5個分ほど、ししゃもだと10尾分となる。

また、ビタミンCも不足気味になりがちとされる。30歳代での1日あたりの推定平均必要量は男女とも85mg。ブロッコリーで70g、ミカンでは2~3個、キウイフルーツなら1個で事足りるのだが・・・。

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摂取量が不足または過剰となっている可能性のある人の割合。50〜69歳の男女を対象とした12日間の秤量食事記録調査によるもの。「日本人の食事摂取基準」策定検討会が2019年12月に公表した「『日本人の食事摂取基準(2020年版)』策定検討会報告書」の表をもとに筆者作成。

過剰摂取しているほうでは、前述の脂質がある。特に男性よりも女性では、過剰摂取のおそれがある割合が多いとされる。

執筆者プロフィール

漆原 次郎(フリーランス記者) 

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。

<記事提供:食の研究所
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