企業インタビュー

店長の負担をIT化で削減。バイトの子には店長を目指してもらいたい~焼肉 孫悟空(F-crew)

2020年11月25日

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外食産業にとって、人手不足は長年の課題だ。求人を出しても人が集まらない、教育コストをかけた従業員がやめてしまうなど、人材難に悩む経営者は多いだろう。

そんな中、徹底した従業員教育とITによる効率化で、高い定着率を誇る企業がある。広島県で、老舗焼肉店『孫悟空』や『がブリチキン。』などFC加盟店を含め7店舗を展開するF-crewだ。10月には福山市で初の3業態からなるテイクアウト専門店『福山Foodスタジアム』もオープンさせた。「アルバイトの子が、自然と『店長をやりたい』と思えるような会社にしなければいけない」と語る広川永哲社長に、対策を伺った。

創業28年、岡山で祖母が始めた焼き肉店が由来

【Q】飲食事業を始められたきっかけを教えてください

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うちは現在、広島県福山市を中心に、高級焼肉店から大衆酒場、2019年にオープンさせた『がブリチキン。』のFC加盟店など7店舗を展開しています。

もともとは私の祖母が岡山で始めたホルモン店が由来で、肉業態が中心ですね。

【Q】新型コロナウイルスの影響は、どのくらいありましたか

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F-crew株式会社 代表取締役
広川 永哲 氏

いずれの店舗もコロナ禍で一時、休業を余儀なくされましたが、休業期間中もアルバイトさん含めた従業員のお給料はすべて払っていました。

その方が社員も嬉しく思ってくれますし、何より「社員が誇れる会社にしたい」という思いがあるからです。

そもそも、商売は良いときと悪いときがありますから、調子が良いときに備えをしておくべきなんです。

焼き肉、ラーメン業態は人材が集まりにくい

【Q】従業員の採用について、以前は課題を抱えていたと伺いました

もともと焼肉店やラーメン店は、人材が集まりにくいんです。いわゆる「華」がないといいますか、調理の専門学校を出た子たちは、ホテルや懐石料理のお店に行ってしまうことが多く、特に飲食店の店長は、仕事が多くて大変というイメージがあります。

計数管理や販促、教育など、さまざまな業務を1人でこなさなければならない。店長の負担が大きすぎるんです。そういう課題があって、業務の効率化をずっと考えてきました。

業務効率化とは、「特定の人に仕事を付けないようにすべき」ということです。「この業務はあの人じゃないと分からない」ではなくて、アルバイトや社員、店長それぞれが足りないところを補って仕事をする。そうすれば労働生産性は上がります。

捻出できた時間を使って、幹部は幹部にしかできない仕事をしてもらいたいし、やりたいことをさせてあげたい。

今やどこの業界でもIT化が進んでいて、世の中の仕組みはすごい速さで変わっていっています。そのスピードに乗り遅れないように、既存の仕組みを変えるためにも、時間と労力を捻出しなければならないんです。

いかに時間を捻出して、新しい仕組みにチャレンジしていくか。当社のIT活用は、そうした課題を解決するための、ひとつの手段でした。

受発注と棚卸しのシステム化で、ミスを減らす

【Q】どのような業務をIT化されたのですか

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これまで店長の負担になっていた業務のひとつが受発注です。2019年にインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入してからは、効率化が一気に進みましたね。仕入れ業者のFAXの調子が悪くて発注できないとか、「発注した、していない」というやり取りがなくなって、発注精度がぐんと上がりました。

また棚卸に関しても、以前はExcelに直接打ち込んでいて、数式や範囲指定の間違いなどに手間を取られていたのですが、システムを導入してからはミスを確認する手間がだいぶ減りました。ITになじみがない子たちは、最初の方こそタブレットの扱いに苦戦していましたが、慣れれば早いものですよ。

数字を見える化したら、現場の意識も変わった

【Q】システム化すると、数字が「見える化」されますよね

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システムの導入後、何の仕入れ品が何個出ているかをすべて洗いざらしにしました。今まで習慣的に6個発注していたものが実は3個でよかったと分かるなど、適正管理ができるようになったんです。これは良かったです。

他には、棚卸の日を平日か休日かによって適正在庫を設定しているので、現場スタッフによる発注と在庫の管理能力が大幅に上がりました。例えば、平均120〜130あったものが、4~5カ月で80を切るようになりました。

見える化したことで必要ない在庫の支払いをせずにすむようになり、現場の意識も変わりました。お金に関する意識が上がったうえに、それまで店長がしていた棚卸や受発注をアルバイトでもできるようになりましたから、店長には本来やるべき管理職の仕事に時間を割いてもらえるようになりました。

従業員を大切にするなら、アルバイトの子が将来、「この会社で店長になりたい」と思える会社にしないといけません。そのためにも、いたずらに現場の負担を増やすことは避けたいですね。

IT化だけではダメ、大切なのは現場の教育

【Q】ITを導入して数字を見える化し、従業員の意識も上がったということでしょうか

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もちろんそうした側面はありますが、いくらITで適正在庫の基準を作っても、最終的にはスタッフが動いてくれなければ意味がありません。一般的な飲食店のスタッフは、在庫の多さなんて気にしないですよね。

それをうちでは、勉強会を開き、在庫が多い場合と少ない場合のメリットを徹底的に教えているんです。

システム化によって資金繰りがよくなるとか、カウントのボリュームが減って作業が効率化され、時間が生まれて労務が楽になるとか、そういうメリットを日ごろから教えていれば、現場の意識は変わります。システム化は、現場の教育とセットで最大限のメリットを発揮するのです。

【Q】現場スタッフへの意識改革では、どんなことを意識していますか

「決められたことを決められたとおりにする」。これが会社の強みになります。うちではその意識が非常に高いのですが、いちばん重要なのは、教育を通して「理解してもらうこと」ですね。時には強引にやってもらうこともあります。

「この業務は面倒くさくてもやらなきゃいけない」と。でもそういうときはまず、社長が率先して見本を見せる。

現場を変えようとするなら、まず経営者が変わらないといけませんから。経営の根幹はコミュニケーションですから、対話を増やしたり、ありがとうの回数を増やしたり、社長である僕が自ら反省文を書いたこともあります(笑)。

従業員を大切に育てて、質の高い飲食店経営を

【Q】今後の展望を教えて下さい

今、人件費も建設費も原材料費も高騰していて、飲食店の経営は厳しい状況が続きます。肉の価格も年々上がっていますから、取引先とwin-winな関係を築きつつ、価格と品質のバランスをシビアに追求しなければなりません。

あとは、いかに今の人手で良い店舗経営ができるかです。従業員に対しては、工夫した教育システムで大切に育てて、会社のやり方を理解してもらうことが重要です。経営陣や店長陣が愛をもって接すれば、現場は変わりますよ。最終的には、皆がハッピーになれるような経営をしたいですね。

これからも食と空間を通じて、たくさんの方々へ感動を届けたい。10月に新しくオープンしたテイクアウト専門店『福山Foodスタジアム』は、焼き肉とからあげ、スイーツ店をコラボさせた新しい試みです。スタッフが一丸となって、地元のお客様に満足していただけるようなお店にしたいと意気込んでいます。


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F-crew株式会社

所在地:広島県福山市元町15-32
事業案内:飲食店の経営
企業サイト:https://f-crew.love/

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