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「日本食を広める」和民の施策とは?(和民國際有限公司)

2013年08月27日

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海外で日本食を広めよう--。そんな思いを抱いて2008年に「和民國際有限公司(ワタミインターナショナル)」を香港に設立し、現在は香港・深圳・台湾・上海・シンガポール・マレーシアなどで海外店舗を展開している「和民」様。台湾でも食事をメインにしたレストランを17店舗運営し、現地の人々に高い人気を集めています。

【Q】いつ頃、台湾に進出されたのでしょうか?

弊社の海外進出は2000年の香港に始まり、台湾には2005年に出店しました。親日的な風土とビジネスのやりやすさが台湾を選んだ理由です。進出当初は台湾企業との合弁でしたが、2008年には発展的解消をし、それ以降は当社独資で運営しております。

【Q】日本の店舗との違いを教えてください

台湾の和民で一番人気の串焼き

和民の海外事業は「日本食を広めよう」という使命のもと店舗を展開しており、居酒屋というよりは、レストランという意識で現地のお客様に認識されています。実際に台湾ではアルコール売上比率は数%しかありません。食事のメニューも日本国内とはメニューを変えていて、香港で一括して海外店舗のメニューを開発しています。

ただ、日本食を広めることを使命としていますので、味そのものを変えてしまうようなことはしていません。調味料のように味に大きな影響を与えるものは日本から輸入しています。

ちなみに、台湾をはじめ海外では現在「和民」での進出を行っていますが、香港ではその他に「和亭」(日本食業態)、「Kitchen J」(イタリアン業態)を展開中です。香港での展開、多店舗化を検証後に各地域への展開を視野に入れています。

【Q】台湾の方に人気のメニューを教えてください

一番人気は串焼きです。台湾は鶏肉がとてもおいしいんですよ。また、玉子とじや豆腐の人気も高く、夏でも鍋をよく召し上がるのも特徴です。日本に比べると、薄味もしくは甘めの味付けが好まれるように思います。

【Q】客層・単価を教えてください

20代・30代のお客様が多く、日本に比べて女性の比率も高いです。顧客単価は、昼夜の平均で400台湾元(約1400円)ぐらいです。

【Q】日本のお客様との違いを教えてください

一般的に熱しやすく、冷めやすいという部分があると思います。新店舗ができるとよく行列ができるのですが、2、3ヶ月もするとパッタリ客足が止まっていることもよく聞きます。店舗の入れ替わりも日本に比べて激しいのではないでしょうか。

弊社では、一時的な流行に乗った業態設計やメニュー開発等を安易に行わず、現地のお客様に根付いた日本食レストランと認識していただける様に気を付けています。その一方で、常に店舗内装の改装やユニフォームの変更などを行い、ブランドが古くなってしまわないような対策も行っています。

【Q】運営するにあたっての苦労を教えてください

まず、現地のスタッフに日本食の調理の基礎を教えるのが大変でした。天ぷらのように日本独特の料理については、以前は台湾で馴染みがなかったので、海老フライと海老天ぷらの区別がつかなかったりしました。

こちらの解決方法は、調理マニュアルの順守における調理工程の徹底や、調理実習といった地道な改善しかないと考えています。その他、日本と同様に集中仕込みセンターを稼働し、ダシを取ったり、調味料を調合したり、料理の下ごしらえを集中して行うことにより品質の安定化を図っています。

採用については、正社員として採用しても出社初日から来ないまま辞めてしまったり、退職も頻繁にあります。おそらく組織への帰属意識が薄く、キャリアパスをあまり考えずに、楽な仕事に流れているようなイメージがあります。

【Q】仕入先は現地企業が多いのでしょうか?

日系も台湾系もあります。

【Q】取引にあたって日本との違いなどありますでしょうか?

まだまだ中小の個人経営に近い卸企業が多いので、統一配送のような物流が未発達です。ですので、食品も各社ごとにバラバラに持ってきたり、頼んだ物とは違ったり、数量や質が異なっていることも日常茶飯事です。ただ、最近では日系の卸企業が統一配送を開始したという話も聞きますので、今後はさらによくなっていくかもしれませんね。

【Q】台湾で社会貢献活動に力を入れられているそうですね

店舗周辺のゴミ拾いに始まり、老人ホームへの訪問なども実施しています。昨年のクリスマスには孤児院の子どもたちをお店に招待して、日本食を食べてもらいました。こうした子どもたちに弊社の日本食を食べてもらって喜んでもらえると非常にうれしいです。

【Q】台湾の方は親日家が多いですよね

ええ。日本の震災の際は、台湾の方々に多大なご支援をいただきました。当時は日本で乾電池が不足していて、弊社の日本側から少しでも多くの乾電池を日本へ送るように指示があったのですが、台湾の取引先様にお願いをすると即日で何千本という乾電池が集まり感動しました。逆に日本に持ち帰るのが大変だったのですが、この際も台湾の方々にご協力をいただき、無事日本に届けることができました。

【Q】日本企業へのメッセージやアドバイスがあればお願いします

とにかく現地企業をよく観察することだと思います。こちらの流行っている外食企業さんを見ていると、ちょっとした部分の商売の上手さに気づくことが多いです。また、台湾の現地の飲食店も運営にあたってよく勉強しているなと感じますので、そういう部分をよく観察してみると良いのではないでしょうか。

和民國際有限公司(ワタミインターナショナル)

2000年、和民(中國)有限公司の設立で海外展開をスタート。2008年に「和民國際有限公司(ワタミインターナショナル)」を香港に設立した。現在は、台湾・香港・深圳・上海・シンガポール・広州・マレーシア・フィリピン・韓国で店舗を展開し、今後の出店候補地域としては、東南アジア各国を中心に検討している。

業種:外食(和食) 店舗数:15店舗 従業員数:社員150名・バイト450
本社所在地:台北市中正区漢口街一段455
お話: 董事長 島田 氏

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